ヒスタミンH2受容体拮抗薬

ヒスタミンH2受容体の作用には、血管拡張作用、胃酸分泌促進作用がありますが、臨床上、もっとも重要となるのは、胃酸分泌促進作用です。

 

多量のヒスタミンが胃壁細胞のヒスタミンH2受容体に作用すると、胃酸が多量に分泌されます。
過剰に分泌された胃酸は、自己の胃壁まで消化してしまうことから、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の発生を促すことになります。

 

ヒスタミンH2受容体拮抗薬の作用

 

H2ブロッカーと呼ばれるシメチジン(商品名:タガメット)やファモチジン(商品名:ガスター)は、ヒスタミンH2受容体拮抗作用により、胃酸の分泌を低下させます。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は胃酸の過剰分泌が原因であることが多いので、H2ブロッカーにより症状を和らげることができます。

 

「ガスター10」に代表されるH2受容体拮抗薬は、ドラッグストアでも購入できます。

 

しかし、胃潰瘍などの症状が進行し本格的な治療が必要となると、プロトンポンプ阻害剤(PPI)と呼ばれる薬を使わなければなりません。PPIはH2ブロッカーよりも強力に胃酸分泌を抑制します。

 

「医薬品例」
  • ガスター(ファモチジン)
  • タガメット(シメチジン)
  • ザンタック(ラニチジン塩酸塩)
  • アルタット(ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩)
  • アシノン(ニザチジン)
  • プロテカジン(ラフチジン)

 

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ヒスタミンH2受容体拮抗薬の副作用

 

ヒスタミンH2受容体拮抗薬の副作用は非常に少なく、安全な薬といえます。

 

これは、胃以外の組織ではH2受容体の作用が限られていることと、血液脳関門の透過性が低いことによると考えられています。

 

高齢者は「認知機能低下」「せん妄」のリスクが高い

安全性が高いH2受容体拮抗薬と言えども、服用しないほうがいい場合があります。
それは高齢者です。

 

「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015(案) - 日本老年医学会」によると「高齢者がH2受容体拮抗薬を服用すると認知機能低下、せん妄のリスクが高いため、可能な限り使用を避けること」とされています。
いわゆる「ガスターせん妄」です。

 

なぜ、胃薬が脳機能に影響をおよぼすのでしょうか。
はっきりとした原因は分かっていませんが、可能性の一つとして「ヒスタミン」があります。

 

ヒスタミンは中枢神経系に分布しているヒスタミンH1受容体に作用することで、覚醒作用を示します。(※参考記事:ヒスタミンH1受容体拮抗薬
ヒスタミンH2受容体拮抗薬は、同じサブタイプであるH1受容体にもわずかながら作用していると考えれば、脳機能を低下させても不思議ではありません。

 

さらにH2受容体拮抗薬はほぼ「腎排泄型」であるため、腎機能が低下している高齢者であるほど薬効が強く発現しやすいと考えられます。
※ラフチジンは肝代謝型

 

高齢者には、H2受容体拮抗薬よりもPPIを用いたほうが安全といえるでしょう。

 

抗アンドロゲン作用

シメチジンやファモチジンの副作用として、女性化乳房、乳汁分泌が報告されています。

 

これは、薬がアンドロゲン受容体に結合し、抗アンドロゲン作用を引き起こすためであるといわれています。

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