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調剤薬局薬剤師のメリット、デメリット
薬剤師と言えば「調剤薬局」というイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
処方せんを持ち込むと調剤してくれる薬局が「調剤薬局」ですが、これは法律上の正しい名称ではありません。正式には「保険薬局」といいます。
日本の薬局は処方せん調剤のみを行う薬局が多いため、「調剤薬局」という名称が浸透したのです。
しかし、本来、薬局の仕事は調剤だけではありません。一般用医薬品(OTC薬)や健康食品などの販売を通じて、セルフメディケーションの相談に応じることも重要な役割です。
このコンテンツでは、薬局の中でも「調剤薬局への転職」についてまとめました。
調剤薬局の薬剤師の仕事とはどのようなものでしょうか?
調剤薬局の薬剤師に転職する上で気をつけたいこととは?
※調剤薬局の薬剤師の仕事については、「調剤薬局薬剤師の仕事」もご覧ください。
ドラッグストアも含めると、薬局で働く薬剤師は全体の約50%を占めます。
日本の薬局の主流は、調剤機能を有する「調剤薬局」です。調剤薬局は薬剤師の職場の定番といえるでしょう。
調剤薬局は正社員、派遣、パートと働き方が多様であることから、新卒薬剤師からママさん薬剤師まで人気の職場です。
調剤薬局の中でもっとも多い薬局は「門前薬局」です。
門前薬局は、総合病院やクリニックに隣接して、その病院から発行された処方せんを集中して受ける薬局のことです。日本独特の形といえます。
一方で、米国で主流なのは、「ドラッグストア併設型」の薬局です。日本のように病院に隣接して、特定の医療機関から処方せんを受ける薬局は少ないのです。
「調剤薬局薬剤師の仕事」でも解説しているように、調剤薬局薬剤師の仕事はほぼ「調剤」と「服薬指導」です。
調剤薬局は収益の90%以上を処方せん調剤から得ているため、朝から晩までひたすら処方せん調剤を繰り返すことになります。
総合病院に隣接した門前薬局なら、1日200〜300枚の処方せんを調剤することも珍しくありません。
調剤薬局でもOTC薬を販売している薬局は多いです。
最近のOTC薬は、総合感冒薬、胃薬、抗アレルギー薬、抗真菌薬と多種多様です。
医療用医薬品として使われている成分がOTC薬として発売されるケースが増えています。薬剤師が扱える薬が増えているのです。
ただ、隣接する医療機関との関係もあるので、積極的に売りにいけないという問題もあります。
アレルギー科を専門とする医師が隣にいるのに、アレグラFXをオススメするのは気がひけますよね。
2016年の調剤報酬改訂では、調剤薬局に対してさらに厳しい評価となりました。
特に問題視されたのは、門前薬局を主体とする大手調剤薬局チェーン。ひたすら処方せんを調剤するだけで莫大な利益を得る、というやり方に批判が集まっているのです。
1990代初頭から10年くらいの医薬分業推進は、調剤薬局はひたすら「処方せん医薬品を売る」だけで大きな利益を上げることができました。
しかし近年、「薬価差益の減少」「調剤報酬の減少」から、もう「薬を売る」だけの薬局経営は厳しくなっています。
実際、2016年の調剤報酬改訂では、「調剤技術料」のなかの「調剤基本料」を細分化することで、一つの医療機関からの集中率が高い門前薬局の点数を減らす対策がなされています。
「調剤だけを行う薬局」の評価を下げているのです。
今後の薬剤師は、「薬を売る」から「技術を売る」ことが評価される流れとなっていくでしょう。
その例として注目されているのが、「薬学管理料」と呼ばれる「薬剤師の技術」に対する点数です。
2016年に新設された「かかりつけ薬剤師指導料(70点)」「かかりつけ薬剤師包括管理料(270点)」は、薬剤師個人の能力に加算される報酬です。
患者が薬剤師を「かかりつけ薬剤師」として選び、その薬剤師が患者の薬の一元管理をするというシステムは非常に画期的です。
まだ、制度に不十分な点はありますが、優れた薬剤師が選ばれる時代に変わりつつあるといえるでしょう。
国は迫る高齢化のため、医療の中心を病院から在宅へシフトしようとしています。
なるべく自宅で治療をし、最後を迎える患者を増やそうというわけです。
そこで調剤薬局も、在宅医療への参加が期待されています。
「在宅患者訪問薬剤管理指導料」は、同一建物居住者以外なら650点(月4回まで)を加算できます。
今後、在宅は大きく稼げる可能性のあるジャンルであることから、多くの調剤薬局チェーンが参入し始めています。
ただ、外に出て行く薬剤師が増える分、調剤に回せる薬剤師が減ります。在宅医療は、薬剤師の数にある程度余裕がないとできないのです。
「薬剤師不足で在宅に参入できない」という問題は、どこの調剤薬局でも抱えています。
私は派遣薬剤師として調剤薬局で1年働いた経験があります。
その前に約6年、調剤併設型のドラッグストアでの勤務経験があったのですが、「調剤薬局」という職場はとても特殊に感じました。
特に新卒の薬剤師さんに伝えたいことは、「総合病院の門前薬局か、面で処方せんを受けている薬局で働いたほうがいい」ということです。
調剤薬局は、受けている医療機関の診療科によって、取り扱う医薬品も変わります。
当然、総合病院の門前薬局は多種多様な医薬品を扱っています。1500品目以上の医薬品を扱い、1日200〜300枚もの処方せんを受けている薬局は珍しくありません。
これからの薬剤師に求められるスキルは「ゼネラリスト」です。
かかりつけ薬剤師として患者さんにアドバイスするにも、在宅で医師と連携するにも、幅広い疾患領域の医薬品を知っていなければなりません。そのため、取り扱い品目の多い調剤薬局を経験しておくべきです。
皮膚科、眼科などの専門クリニックの門前だと、医薬品の知識が非常に偏ってしまいます。
調剤薬局で問題となるのが、「人間関係」。
仕事を辞めてしまう原因のトップです。
調剤薬局は狭いので、人間関係が悪化すると逃げ場がありません。
就職する前に、せめて薬局長、ナンバー2の人格をよくみておきましょう。
これから、調剤だけを繰り返しているだけの薬局は、かなり苦しい経営を強いられます。
処方せん調剤以外にも収益源を求めていかないと生き残れない時代なのです。
OTC薬や健康食品の販売、在宅へ積極的に参加している企業を選ぶべきです。
勉強会や学会参加など薬剤師に投資している経営者についていきましょう。
調剤薬局経営者は、どんな薬剤師が欲しいと思っているのでしょうか。
調剤薬局の仕事はサービス業です。
患者対応する薬剤師は、笑顔で丁寧な接客が求められます。
調剤薬局に来店する患者さんは、当然病気をもっています。さらに病院で待たされているため、イライラしていることも多いです。
ちょっとした対応のミスが、大きなクレームになることも少なくありません。
調剤薬局は毎日大量の処方せんを調剤します。
患者は待たされることを嫌うため、とにかく「すばやく」「正確に」調剤できる能力が求められます。
調剤業務は、全自動分包機の導入などでどんどん効率的になっています。少ない薬剤師で多くの処方せん調剤ができる形になっていくでしょう。
しかし、服薬指導は薬剤師でないとできません。患者さんに薬の情報を伝えること(DI業務)は、薬剤師の仕事の要であり、非常に重要です。
調剤薬局の経営者は、病院薬剤師出身の薬剤師をあまり好まない、と聞きます。
それは、「知識はあるが、患者さんに分かりやすく説明できない人が多い」ということでしょうか。
確かに、服薬指導はただ細かい薬の情報を与えればいいというものではありません。目的は患者さんのアドヒアランスを高めることです。
そのために、もっとも大事な情報だけを選んだり、例え話を用いて分かりやすく説明するなど、「患者さんに伝える」能力が求められる難しい仕事です。
もし、あなたが新卒の薬剤師で調剤薬局を希望しているなら、ちょっと待ってください。
病院薬剤師への就職を考えてみてはどうでしょうか。
なぜ、私は病院勤務をオススメするのか。それには理由があります。
病院薬剤師はなぜ勉強になるのでしょうか。専門知識が身につくからでしょうか?
私は、病院薬剤師の最大のメリットは「チーム医療で他職種と関わることができること」であると考えます。
日常的に医師や看護師と関わる仕事は、多くの学びがあります。
彼らの質問や要望に答えたり、チーム医療に参加することで「医療において薬剤師に求められていることは何か」が分かってきます。
この経験は、調剤薬局に転職しても必ず生きます。
今後は在宅への参加が増えることを考えても、他職種と連携して働く経験をしておくといいです。
病院で働いていると、「疾患」を間近でみることができます。
病気の人がいて、医薬品を投与して、回復する。こういったリアルな体験は、強烈な学びとなります。
私はドラッグストア、調剤薬局を経験して病院に転職したので、強く感じました。
例えば「抗精神病薬の定型薬は錐体外路症状が起こりやすい」という知識を、本を読んで学んだとします。
しかし、それはただの情報です。実際にその症状で苦しむ患者さんを見たわけではないので、リアリティーがないのです。
褥瘡で壊死した患部からの腐敗臭、帯状疱疹でただれた胸部などを見せられると、生きた知識が体に入ってきます。
治療薬で劇的に回復すると、「やはり薬ってすごいな」と感動するわけです。
この体験が、薬学を学ぶ上で大事なのではないでしょうか。
調剤薬局ではなかなかできないと思うので、一度は病院薬剤師として働くことをオススメしたいです。
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