未経験で病院薬剤師へ転職できるのか

病院薬剤師

 

「病院薬剤師への転職」を真剣に考えてみる

 

 

「未経験での病院薬剤師への転職は難しい」

 

薬剤師の転職の話題になると、なぜかこの説を主張する人がいますよね(笑)。
ネット上でも当たり前のように出てくる話です。

 

「病院→調剤薬局・ドラッグストアは簡単だが、その逆は難しい」と信じているからか、新卒で病院への就職を目指す薬剤師も多いです。

 

これ本当の話でしょうか?

 

病院薬剤師への転職はそんなに難しいのか!?

 

 

病院薬剤師への就職は未経験でも可能

可能

 

いきなり結論ですが、病院薬剤師への転職は未経験でも十分に可能です。

 

20代限定ということもないですし、30代、40代の中堅薬剤師、さらには60代の未経験薬剤師でも可能といえば可能です。

 

実際に、私は30代で現在の病院へ転職しています。キャリアとしてはドラッグストア6年、総合病院の門前薬局に1年なので、病院の経験はゼロです。
また、私の前職の先輩薬剤師は、50代で故郷の中規模病院に転職しました。

 

転職サイトを眺めてみてください。いくらでも募集がありますよ。

 

薬剤師が使うべき転職サイトを見てみる

 

なぜ「病院薬剤師への転職は難しい」と言われるのか

それは「人気の病院への転職が難しいから」です。

 

病院志望の薬学生に大人気なのが、大学病院国立がんセンターなどの総合病院。医療機関としてだけでなく、研究機関、高度な専門職を育成する教育機関としての機能も有しています。
こういった先端医療を担う医療機関は「特定機能病院」とも呼ばれます。

 

特定機能病院は一般病院と比べて、ベッド数、外来患者数、従業員数などすべてが大規模です。
薬剤部が抱える薬剤師の数も30人とかです。数人の薬剤師で回している一般病院とは比べ物になりません。

 

特定機能病院が雇用できる薬剤師数は多いですが、就職希望者が殺到するため就職は激戦です。
人気のためそもそも空きが少ないです。大学の研究室と交流がある病院も多いため、教授の紹介で就職するケースもあります。

 

私の先輩は某大学病院の薬剤部に就職しました。しかし、身分は非常勤であり、1年ごとの契約更新です。勤めながら正社員の口が空くのを待っているわけです。

 

しかし、30歳近くになっても正社員に昇格できず、結婚して辞めてしまいました。

 

薬学生に人気の病院への就職が難しいから、「未経験の病院への転職は難しい」と誇張されているわけです。

 

参考記事病院薬剤師の年収と労働環境は?将来はどうなる?現役薬剤師が解説

 

人気の病院に就職する必要はない

病院薬剤師をやりたいなら、なにも人気の病院――いわゆる大病院に就職する必要はありません。
中小病院や地方の病院には薬剤師を必要としているところがたくさんあります。

 

「大病院じゃないとキャリアが積めない」と思い込んでいる人がいますが、そんなことはありません。
むしろ、診療科が少ない専門病院だからこそ薬剤師の能力が活きる、ということもあるのです。

 

大きな総合病院はキャリアの幅が広がるという事実はありますが、大病院で働いている薬剤師だって様々な不満をもっているものです。

 

病院の分類を知ろう

病院

 

病院薬剤師をやりたいなら、「就職希望の病院がどうゆう分類に位置しているのか」を確認しておきましょう。

 

病院と一口にいっても、その機能は多種多様。急性期か慢性期か、ベッド数の違い、専門性の有無、研究機関を有するか、などによって役割が違ってます。
当然、薬剤師に求められる仕事も変わってくるのです。

 

医療機関は「病院」と「診療所」に分類される

医療機関は「ベッド数」により以下のように大別されます。

 

病院

ベッド数が20床以上の医療機関

 

診療所

ベッド数が19床以下の医療機関
「医院」や「クリニック」と呼ぶこともあります。

 

病院は機能別に3種類に分類される

さらに病院は、その機能(役割)により3種類に分類されています。

 

一般病院

ベッド数が20床以上で、通院、入院治療など一般的な治療を行う病院のこと。
一般病床だけでなく,精神病床、結核病床など様々なベッドを配置しています。

 

一般病院もベッド数の違いにより多少機能が違ってきます。
ベッド数が300を超えるようないわゆる総合病院は、発症から安定期までの医療を中心に行っていますが、中小病院は慢性期の患者を中心に治療している傾向があります。

 

 

地域医療支援病院

平成9年の医療法改正により制度化された病院の機能分類の一つ。従来の「総合病院」に代わるものです。

 

ベッド数が200床以上。地域の診療所や中小病院と連携して地域医療に貢献します。地域の中小病院から患者を紹介されたり、急患の受け入れなどに対応します。

 

一般病院と特定機能病院の中間に位置するような病院です。

 

特定機能病院

平成4年の医療改正により制度化。高度先端医療を提供する医療機関です。
一般的な病院では対応できない、高度な治療が必要となる患者に対応します。

 

ベッド数400以上、主要な診療科が10以上あること、高度な医療機器や集中治療室等の機能、看護師、薬剤師の一定数の配置などが義務付けられています。

 

大学病院、国立がんセンターなどに代表され、診察・治療以外にも、新薬の開発(治験)、研究なども行われています。

 

病院のしくみと役割 |ここカラダ参考

 

人気の病院なら勝ち組?

病院薬剤師

 

 

薬学生には大学病院などの特定機能病院が人気です。
「大病院で働く薬剤師は優れている」そんな意見も聞きますよね。

 

確かに特定機能病院で働くメリットは多いです。
市場にあるメジャーな医薬品はほぼ扱いますし、輸液、抗がん剤のミキシングなどの仕事も経験できます。

 

研究機関があるため、専門薬剤師を目指す人には最高の環境です。
がん専門薬剤師、感染制御専門薬剤師と言えば、他の薬剤師からは尊敬されるでしょう。

 

しかし、大病院特有の悩み、不満もあります。
薬剤師数が多いといっても、ベッド数に対して十分でない場合が多いです。

 

病院はやはり医師の世界。薬剤師はぎりぎりの人数で回しているところも少なくありません。

 

処方せん調剤、服薬指導に加えて、治験業務、研究論文の作成など仕事量がかなり多いと聞きます。
急患が運ばれてくれば、定時にはまず帰れません。医師からの突然の仕事依頼など、雑務にも追われます。

 

夜勤もあるため、常に疲れがたまっている状態です。
私が実習に行った総合病院では、休憩時間では先輩薬剤師は突っ伏して寝ていました。そうとうお疲れのようでした。

 

「仕事に全力投球したい」なら大病院は最適の環境でしょう。
しかし、「自分の趣味も大事にしたい」「家庭を大事にしたい」人にはあまりお勧めしません。

 

専門病院という選択肢も

 

精神科など診療科が少ない、いわゆる専門病院。
「扱う医薬品が少ないから勉強にならない。キャリアが積めない」と敬遠する薬剤師もいます。

 

しかし、実は専門病院こそ薬剤師が必要とされることを知っていますか?

 

医師が薬剤師に求めることとは?

「チーム医療に薬剤師として参加したい」「医師に処方提案して薬物治療に貢献したい」――こういった仕事を希望して病院薬剤師を目指す人は多いです。

 

病院のトップは医師です。チーム医療が叫ばれている現在でも、現実的に医師がすべての権限をもっています。
つまり、薬剤師が病院で活躍するには、「医師に必要とされる」ことが必須となってきます。

 

それでは、医師は薬剤師に何を期待しているのでしょうか。
それは「医師の専門外の薬物治療をカバーする」ということです。

 

「服薬指導」「薬の相互作用、禁忌薬のチェック」「副作用のチェック」――こういった仕事は薬剤師の役割でもありますが、専門医ならば当然自分の処方する薬は詳しいです。

 

むしろ専門分野の「薬の使い方」については薬剤師より深い知識と経験をもっています。

 

しかし、専門外の薬となるとほとんど知らない医師もいます。有名な先発品くらいは知っていますが、ジェネリックとなるともうお手上げという状態も少なくありません。

 

総合病院なら専門外の疾患は同僚の医師に任せることができますし、意見を聞くこともできるでしょう。しかし、専門病院の場合、そもそも専門外の薬について聞ける医師がいないのです。

 

こういった状況で頼りにされるのが「ゼネラリストとしての薬剤師」です。

 

例えば、私が勤める精神科は、精神科領域の疾患だけを扱っているわけではありません。
統合失調症の患者さんは、高血圧、高脂血症といった慢性疾患を併発していることは多いのです。

 

そのため、医師からは専門外の薬物治療に関する質問が毎日のように寄せられます。
薬剤師といえども、各疾患のガイドラインを読み、一般的な薬物治療を知っておかなければならないのです。

 

処方提案といった高度な仕事は、そもそも医師がすべての薬物治療に詳しければ必要ないわけです。
そう考えると、専門病院で薬剤師として頼られたほうがやりがいがあるかもしれません。

 

病院薬剤師への転職は年収が下がるのか

給料上がってうれしい女性

 

「病院薬剤師は給料が安い」と躊躇していませんか?

 

確かに、マツキヨなど大手のドラッグストアの平均年収と比べると見劣りします。
しかし、転職時に上手く交渉することで、病院薬剤師でも十分な給料を得ることは可能なのです。

 

転職時の年収は前職が考慮される

普通の薬剤師が年収1000万円級の高年収を得る方法とは?」でも紹介している通り、薬剤師の年収は需要と供給で成り立っています。
つまり、病院薬剤師として高給を実現したいなら「不人気な病院」を選んだほうが得なのです。

 

不人気といっても、人間関係が最悪とかいうわけではありません。
「地方すぎて募集がない」「地元に薬科大学がない」「専門病院である(診療科が少ない)」といった理由で薬剤師が足りない病院はたくさんあります。

 

そういった病院の場合、前職の年収を考慮してくれる場合が多いです。実際、私の場合は前職のドラッグストアより現在の病院のほうが年収は上です。

 

キャリアコンサルタントに相談することで、年収を上げる

ただ、年収交渉は疲れるものです。「お金のことは言いづらい。恥ずかしい」という日本人特有の性格もあり、病院側に希望年収をはっきり伝えることを躊躇する人もいるでしょう。

 

そんな人はキャリアコンサルタントを使いましょう。

 

転職サイトに登録すると、キャリアコンサルタントがあなたの転職を全面的にバックアップしてくれます。
無料で使えるので、使わない手はないです。私も転職サイトを使って転職しています。

 

当サイトでは、管理人の私も登録している転職サイトをいくつかオススメしています。

 

「転職サイトって何?」という方のためにポイントも簡単にまとめてあるので、一度読んでみてください。

 

薬剤師が登録しておくべき転職サイト

 

病院薬剤師へ転職したい人へアドバイス

アドバイスする薬剤師

 

最後に病院薬剤師へ転職したい薬剤師さんへアドバイスを。

 

年齢は若いほうがいい

病院への転職は、50代以降でも可能です。

 

しかし、ずっと病院で働きたいなら、やはり若いうちに転職すべきです。

 

調剤薬局やドラッグストアで行われる薬剤師業務と、病院薬剤師の業務はかなり違います。
カンファレンスに出ると専門用語のオンパレードですし、カルテを読むのも一苦労です。

 

チーム医療、処方提案といった仕事は、医師に薬物治療についてアドバイスをするということです。
それは、医師よりも深い知識と経験を持っていなければならないということでもあります。このレベルにはそう簡単には到達できません。長い時間がかかかるのです。

 

先輩薬剤師としても、年上に指導するのは気を使うものです。柔軟性、吸収力の高さという点でも、やはり20代がベストです。

 

20代で病院薬剤師を希望しているのであれば、積極的に動くべきです。

 

幅広い学習を

先に「専門病院こそ薬剤師が頼られる」と説明したように、薬剤師に求められるのはゼネラリストとしての能力です。

 

専門医ほど詳しくないが、メジャーな疾患について高度な薬物治療の知識を有している、こういった状態を目指すべきです。

 

そのため、総合病院の門前薬局の経験がある薬剤師は、病院薬剤師として活躍できる可能性が高いです。
東日本大震災では、医療チームにおいて「幅広い薬剤の知識を持つ薬剤師」が非常に活躍したそうです。

 

狭い業界であることを意識しておく

なぜか「調剤薬局やドラッグストアの薬剤師より、病院薬剤師のほうが優れている」といった認識を持つ人がいますが、これは間違いです。

 

求められる役割が違うだけです。どんな業界でも優秀な人は優秀ですし、できない人はできません。

 

病院薬剤師は高度な知識が求められる一方で、ビジネスマナーなど社会人としての基本的な能力が欠如している人もいます。
調剤薬局の経営者が病院薬剤師の採用を躊躇するのも、こういった理由があるのです。

 

病院はある意味世間と隔離された、非常に狭い世界です。なので、病院薬剤師を目指す薬剤師さんは、社会の様々なできごとに興味を持って、見識を広げるべきだと思います。

 

病院薬剤師の求人を探すなら転職サイトは登録すべき

スマホで求人サイトに登録する女性

 

先に少し説明したように、薬剤師が転職するなら転職サイトを利用したほうがいいです。

 

もちろん、自分で病院に履歴書を送ったり、ハローワークに通いつめたりする方法もあります。

 

しかし、私も経験ありますが、自分でやるのは本当に大変ですよ…。求人探し、履歴書等、自己流でやると時間がいくらあっても足りません。

 

転職サイトを利用したほうが圧倒的に楽です。

 

転職サイトは人材紹介会社が運営している転職支援サービス。薬剤師が登録すると、専属のキャリアコンサルタントから様々なサービスを受けられます。

 

「気になる業界の最新情報」「求人の紹介」「履歴書の作成アドバイス」「面接日の調整」などなど、面倒なところはすべてカバーしてくれます。

 

私の場合、年収交渉は本当にありがたかったです。
病院薬剤師はどうしても年収が低くなりがちですが、キャリアコンサルタントに会社と交渉してもらった結果、100万近く上がりました。

 

複数登録で高年収の求人に出会える確率を上げる

実は、転職サイトを活用するコツとしては複数登録が基本です。

 

たくさんの求人を紹介されたほうが、高年収の求人に出会える確率が高まるからです。
特に病院薬剤師の求人は年収がネックになることが多く、なるべく多くの求人をチェックしておいたほうがいいです。

 

そこでオススメは薬剤師ナビ

 

薬剤師ナビは登録1回で同時に3社の転職サイトに登録できる画期的なサービス。
薬キャリ、マイナビなどの大手企業が参加している転職サイトです。

 

むしろ、はじめに薬剤師ナビに登録してしまえば他の転職サイトに登録する必要はありません。とても効率的ですよね。

 

こういったサービスで転職活動を有利に進めてください。

 

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「未経験で病院薬剤師は無理」は嘘です。

 

都市伝説みたいなものですね(笑)。

 

日本にはたくさんの病院があり、薬剤師に求められる仕事も本当にいろいろです。

 

少しでも病院薬剤師に興味があるなら、まずは求人をチェックすることから始めましょう。
必ずあなたに合う仕事が見つかるはずです。

 

 

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