薬物受容体の構造と細胞内情報伝達機構 | 薬剤師の仕事研究室

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薬物受容体の構造と細胞内情報伝達機構

受容体は、大きく2つの群に分けられます。

 

1.細胞膜表面に存在する受容体

 

主要な薬物は、細胞膜表面にある受容体と結合します。

 

細胞膜表面に存在する受容体は、さらに

 

  • Gタンパク質共役型受容体
  • イオンチャネル内蔵型受容体
  • チロシンキナーゼ型受容体

 

の3種類に分類されます。

 

2,細胞内に存在する受容体

 

ステロイドホルモンなど、細胞膜を透過する脂溶性ホルモンと結合する受容体は細胞質に存在しています。
また、ビタミンD3や甲状腺ホルモンの受容体は核に存在しています。

 

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薬物受容体の種類と構造

 

薬の効果が発現する過程は、3段階に分けられます。

 

  • 第一段階:細胞膜上で薬物と受容体が複合体を形成する。
  • 第二段階:薬物・受容体複合体が二次メッセンジャー(cAMPやCa2+など)の生成を引き起こすか、イオンチャネルを開口する。
  • 第三段階:プロテインキナーゼAの活性化など、標的に情報が伝達され、薬理作用が発生する。

 

細胞外からのシグナルは多種多様ですが、それを細胞内へ伝える機構は数種類に分類できます。

 

(1)Gタンパク質共役型受容体

 

一番メジャーな受容体です。なぜなら、市販薬の60%は、Gタンパク質共役型受容体の作用薬や拮抗薬だからです。

 

Gタンパク質共役型受容体の構造

Gタンパク質共役型受容体1
Gタンパク質共役型受容体2

 

Gタンパク質は、受容体と実際に機能を発現するタンパク質の間の情報伝達を担う役割をはたしているタンパク質です。

 

Gタンパク質共役型受容体は細胞膜を7回貫通する構造をしており、NH2を細胞外に、COOHを細胞内に配置しています。
また2番目の図のように、7個の膜貫通領域は中央に筒状の空間を作るように配置され、この中央部でリガンド(受容体に結合する化学物質の総称)と結合します。

 

Gs,Giタンパク質共役型受容体を介した情報伝達機構

Gs,Giタンパク質共役型受容体の情報伝達機構

 

Gタンパク質はGq,Gs,Giの3種類があります。

 

上図のように、Gsタンパク質共役型受容体と、Giタンパク質共役型受容体は、逆の情報伝達機構を導きます。

 

β1,β2受容体などを代表とするGsタンパク質共役型受容体にアゴニストが結合するとGsタンパク質は活性型となり、アデニル酸シクラーゼを活性化します。結果、cAMPが増えることからいくつかの反応を経てタンパク質がリン酸化され、効果が発現します。

 

一方、α2、M2、D2受容体を代表とするGiタンパク質共役型受容体にアゴニストが結合すると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼを抑制します。その結果、反応を抑制する方向に働きます。

 

  • Gsタンパク質はアデニル酸シクラーゼを活性化する。
  • Giタンパク質はアデニル酸シクラーゼを抑制する。

 

このように、Gsタンパク質とGiタンパク質は逆の作用を示すタンパク質です。

 

Gqタンパク質共役型受容体を介した情報伝達機構

Gqタンパク質共役型受容体の情報伝達機構

 

GqはGs、Giとは違った機構で働きます。

 

GqはホスホリパーゼCを活性化し、細胞膜を構成するリン脂質であるホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸(PIP2)を加水分解して、ジアシルグリセロール(DAG)とイノシトール1,4,5-三リン酸(IP3)を生成します。それらがプロテインキナーゼCの活性化と細胞内のカルシウムイオンの上昇を促し、効果が発現します。

 

主なGタンパク質共役型受容体

 

Gqタンパク質共役型受容体

 

  • α1受容体
  • M1,M3受容体
  • H1受容体
  • アンジオテンシンUAT1受容体
  • 5-HT2受容体
  • ブラジキニン受容体
  • LT受容体
  • PGE、PGF、TX受容体
  • トロンビン受容体

 

Gsタンパク質共役型受容体

 

  • β1・β2受容体
  • H2受容体
  • D1受容体
  • PGI2受容体
  • グルカゴン受容体
  • 5-HT4受容体

 

Giタンパク質共役型受容体

 

  • α2受容体
  • M2受容体
  • D2受容体
  • GABA(B)受容体
  • オピオイド受容体

 

など

 

(2)イオンチャネル型受容体

 

イオンチャネル型受容体の特徴は、生体内で速い情報伝達を担っていることです。構造をみても、Gタンパク質共役型受容体と比べてシンプルな形をしていることがわかります。

 

リガンド結合部位にアセチルコリンなどの神経伝達物質が結合することで、中央のチャネルが開き、Na+、Ca2+などのイオンが流れこむことで情報伝達がなされます。Gタンパク質共役型受容体のように複雑な情報伝達機構ではないので、速い情報伝達を担うことができます。

 

イオンチャネル型受容体の構造

イオンチャネル型受容体

 

主なイオンチャネル型受容体

 

  • ニコチン様アセチルコリン受容体
  • GABA(A)(γアミノ酪酸)受容体
  • グルタミン酸受容体(NMDA型、non-NMDA型)
  • グリシン受容体
  • セロトニン5-HT3受容体

 

など

 

(3)チロシンキナーゼ型受容体

 

血糖値を下げる役割を担うインスリンが結合するインスリン受容体が代表的です。

 

チロシンキナーゼ型受容体の構造

チロシンキナーゼ型受容体

 

主なチロシンキナーゼ型受容体

 

  • インスリン受容体
  • 上皮成長因子(EGF)受容体
  • インスリン様成長因子(IGF)受容体

 

など

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