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調剤薬局で3年働いたけど…
薬剤師は、比較的転職が頻繁に行われる業界です。
薬剤師免許を持っていれば日本全国どこでも働けますし、病院、調剤薬局、ドラッグストアと選択肢も豊富です。
薬剤師は女性が多く、結婚、出産など転職を考える機会が多いことから、転職が盛んとも言えます。
しかし、この業界にはなぜが以下のような論調がありますよね。
「病院→調剤薬局は簡単だけど、調剤薬局→病院は無理。だから新卒で病院に就職したほうがいいよ」
たしかに人気の総合病院や大学病院は「新卒しか採用しない」という方針のところもあります。
「若いうちから育てたい」という建前が言われますが、実は「人件費の問題」など大人の事情から作られたシステムだったりしますが。。
いきなり結論ですが、
調剤薬局から病院薬剤師への転職は可能
です。
当サイトで何度もお伝えしているように、病院薬剤師への転職はそれほど難しくありません。
人気の病院への転職はたしかに難しいですが(みんな就職したいから)、あまり有名でなくても、日本には薬剤師を求めている病院がたくさんあります。
たとえ病院薬剤師が未経験でも、しっかり対策すれば十分に転職は可能なのです
関連記事:未経験で病院薬剤師へ転職できるのか)。
私は約6年間、調剤薬局の薬剤師として勤めてきました。
その中で出会ってきた薬剤師たちは、様々な理由で病院へ転職していきました。
ポジティブな理由としては「やっぱり病院で働きたい」というものがあります。
「新卒からなんとなく調剤薬局チェーンに就職した。お給料もそこそこもらっている。でも、病院で働いている友人はやりがいあるみたい。私も今から就職しなおせるかな。。」
薬剤師という仕事にやりがいを強く求める、やる気のある女性薬剤師なんかは、こう考える人がいましたね。
調剤薬局は、基本的には調剤の繰り返しです。3〜5年もすれば、ルーチン的な調剤業務は身についてしまいます。
そうなると、もう変化のない生活が続くことになります。
意識の高い企業なら、学会発表をしたり、在宅の仕事をとってきたりしてどんどん薬剤師に仕事を与えていきます。
こういった環境なら、新たな目標をもって仕事に取り組めますよね。
しかし、多くの調剤薬局は「現状維持でいい」という状態です。
「毎日ミスなく仕事が終わればいい。余計な仕事はしたくない」社長や薬局長がこんな保守的な考えなら、自分1人で変化を求めるのは難しいです。
「もう調剤は十分です。新鮮な環境に行きたい。。」と思うのも当然だと思います。
ネガティブな理由としては、「自分の将来に不安を感じて」というものがあります。
これもとても多いです。特に上記のように現状に飽きている薬剤師にとても多い。
調剤ばかりで同じ仕事の繰り返しだと「自分のスキルは上がっているのか」と考えるようになります。
それはそうですよね。
大学の同期は、病院薬剤師として病棟でバリバリ働いている。
カンファレンスで医師に意見を述べたり、処方提案をしたり――それを聞いてしまうと「自分がやっていることは何なのか」と思いますよ。
ただの単純作業の繰り返しじゃないかと。
私もドラッグストア時代にそう考えていた一人ですから、気持ちはすごくわかります.
ただ、いざ「病院薬剤師に転職したい」と思い立っても、次にくるのが「不安」でしょう。
「いまさら病院で働けるのかな」と不安を覚える薬剤師は多いです。
当たり前ですが、病院と調剤薬局はまったく違う業界です。
病院には医師を始めとして、様々な専門職が働いています。
使われる言葉も専門用語が多いので、最初は何の話をしてるのかさっぱり分かりません。
私も病院に転職した当時は、カンファレンスに出席してもまったくついていけませんでした。
ムンテラ、デポ剤、CF…などなど医師は容赦なく略語、英語を使います。
「患者はエスで――」
「???(エスって何?)」
後から先輩に聞いたら統合失調症(Schizophrenia)の頭文字でした。
最初はこんな基礎も分からず、カンファに行かされてました。
恥ずかしい限りです…
これはもう仕方がないというか、調剤薬局でほとんど扱わないため、注射、輸液の調剤がちゃんとできるか心配になりますよね。
私も薬局時代はラシックス注ですら見たことはありませんでした。
さらに、輸液の場合は配合変化など気をつけなければならないものもあります。
「抗生剤の投与速度を計算して」とか言われたら、とても対応できる自信はありませんでした。
しかし、私は
「調剤薬局でしっかり仕事をしてきた薬剤師は、病院薬剤師としても成功できる」
と考えています。
なぜでしょうか?
それは「調剤薬局薬剤師の専門性」が、病院でも活きるからです。
薬剤師の中で、最も幅広い薬の知識をもつ職種はなんだと思いますか?
それは調剤薬局の薬剤師です。
総合病院の門前薬局の薬剤師は、日々多種多様な処方の調剤を行っています。
内科、外科、循環器科、泌尿器科、精神科から小児科まで、どんな診療科の調剤にも応じなければならないため、幅広い知識が身に付きます。
また、専門病院の門前薬局であっても、薬局チェーンなら移動がありますよね。
私はドラッグストアの調剤併設店を5店舗経験しました。
ドラッグストアの薬局は面分業であるため、周辺地域の医療機関から幅広く処方箋を受け付けます。
「処方箋を受ける医療機関は100以上。在庫は600品目以上」という薬局は、それほど珍しくありません。
こういった薬局を渡り歩いていると、市場のメジャーな処方箋医薬品はほぼ経験することができます。
さらに、薬局にはOTC販売があります。
薬だけでなく、健康相談全般に応じなければならないため、健康食品、サプリメント、介護用品、バンドエイド・ガーゼ等の医療用品などなど商品知識がどんどん蓄積されていきます。
対して、病院薬剤師はどうでしょうか?
みなさん意外と思うかもしれませんが、実は病院薬剤師はそれほど広い薬の知識をもっていません。
新卒で病院に就職すると、その病院の採用薬だけに接することになるからです。
患者の持ち込み薬を仕分けたり、相互作用をチェックする仕事はありますが、その都度調べているだけです。実際に調剤したことのある薬は意外と少ないわけです。
病院薬剤師はたしかに専門性は高いです。
病棟に配属されるようになると、特定領域でエキスパートになることを求められます。
そのため「かなりマニアックな知識はあるが、有名なOTC医薬品すら知らない」という人もいます。
特定領域で高度な知識を持つことは素晴らしいですが、それがすべてではありません。
むしろ「専門バカ」と揶揄されるように、一般常識すら知らない人は評価されません。
薬剤師の幅広い知識が役にたった出来事があります。
それは東日本大震災です。
被災地では、医師は限られた薬を使って治療をしなければなりません。
使い慣れた薬を使えるケースなど少なく、似たような薬で処方しなければなりませんでした。
そこで医師のサポートをしたのが薬剤師です。
特に調剤薬局出身で幅広い薬剤知識を持つ薬剤師は、処方提案に非常に貢献した、と言われています。
専門性はなくても、ゼネラリストであることはとても評価されるのです。
最後に管理人からの提案ですが、もし病院に転職したいなら「専門病院」を検討してみてはどうでしょうか。
総合病院を希望する薬剤師が多い中、専門病院をオススメするのはなぜなのか?
それは「ゼネラリストとしてのスキルが活きるから」です。
先に説明したように、病院薬剤師はOTCを含めてあまり幅広い医薬品の知識をもっていません。
専門病院となれば、500〜600品目くらいの薬だけを調剤して20年!とかのベテラン薬剤師がいます。専門性は高くても、その知識はかなり偏っているわけです。
しかし、地域連携医療が推進される中、専門病院といえども専門外の疾患の治療をするケースが増えてきました。
患者が複数の疾患を治療中であるなら、当然他科の薬を持ち込んできます。
専門医は専門外の薬に疎いので、かなり薬剤師に頼ってくるケースはあります。
その時、調剤薬局で得た幅広い医薬品の知識は、必ず役に立ちます。
専門性が高い環境だからこそ、専門外をカバーする広い知識が目立つわけです。
そこでまず評価されればこの先仕事がやりやすくなるでしょう。
さらに特定領域の専門性を磨いていけば、マクロとミクロ両方の視点を持った素晴らしい薬剤師になれると思います。
病院薬剤師としてスタートするのに「手遅れ」はありません。
病院薬剤師は新卒から勤める人が多いです。
しかし、調剤薬局の経験しかなくても、キャリアチェンジすることは十分に可能なのです。
私は30歳で病院へ転職しました。
「環境に馴染むには若いほうがいい」というのはやはりありますよ。しかし「しっかり働いた20代」は必ず次のキャリアにつながります。
必要以上に不安にならず、まずは求人を探してみましょう。
あなたに合う病院薬剤師の仕事は必ずあります。
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