「転職の流れ」のコンテンツで、転職活動の様々なシーンで「薬剤師の転職サイト」が利用できることが理解できたと思います。
「転職サイト」という言葉は、聞きなれない人にとっては怪しい業者に思えるでしょう。
しかし、上手に使えば非常に便利なツールなのです。
実際、私も3回に渡る転職活動の中で、転職サイトをかなり活用しました。
カナダ滞在中は5社と契約し、メールを使って定期的に情報提供を受けていたのです。
これにより日本から離れていても最新の情報を得ることができ、帰国してからスムーズに就職を決めることができました。
転職活動を始めるなら、必ず押さえておきたいツールと言えるでしょう。
ここでは、転職サイトの説明と、具体的な利用方法について説明します。
「転職ならマイナビ」といったCMやポスターを見かけたことのある人は多いのではないでしょうか。
マイナビ、リクナビ……これらは求職者の転職を支援する企業であり、人材紹介会社とか転職エージェントと呼ばれています。
人材紹介会社はあらゆるジャンルの転職を支援しているのですが、実は薬剤師の転職を専門とするサービスも行っているのです。
小さいながらも専門性で認知度を上げてきている「ファーマキャリア」などもあります。
薬剤師専門の人材紹介会社はそれぞれ独自に転職サイトを運営しています。
転職を希望している薬剤師が転職サイトに登録すると、紹介会社に所属している転職コンサルタントから転職活動の支援を受けることができます。
つまり、転職サイトに登録することでファルマスタッフ、マイナビなどの人材紹介会社から転職支援を受けることができると覚えておきましょう。
人材紹介会社は、正式には「有料職業紹介事業所」と呼ばれ、厚生労働大臣から認可を受けた斡旋を目的とした会社をいいます。
また、「転職エージェント」とか「人材バンク」と呼ばれることもあります。
これに対して、市町村どこでもあるハローワークは「無料職業紹介事業」とされていて、人材紹介会社とは区別されます。
「人材紹介会社は有料職業紹介事業所て言うくらいだから、転職サイトを利用するとお金がかかるんでしょ?」と思われる人もいるでしょう。
いえ、転職サイトの利用は無料です。
その理由は「人材紹介会社のビジネスモデル」にあります。
人材紹介会社は転職希望者から一切の費用を取りません。
なぜなら、転職が成功した場合にのみ、紹介した企業からコンサルティング料を貰うことで成立しているビジネスモデルだからです。
不況だ、仕事がない、と叫ばれる現在の日本でも、人材を求めている会社は多数存在します。
薬剤師はその代表格です。店舗を拡大するためや人員不足を補うため、薬剤師を求めるドラッグストア、調剤薬局、病院は多数存在します。
また、製薬会社やCRO(臨床試験を請け負う企業)も、薬学部卒の人材を非常に求めています。
薬剤師を専門とする人材紹介会社は、現在とてもホットな業界といえます。
「転職希望者からお金を取らないで、人材紹介会社は儲かるのか」と疑問に思われる人もいるでしょう。
実は人材紹介会社は非常に儲かるビジネスなんです。
メインの収益であるコンサルティング料は企業にもよりますが、だいたい目安として転職者の1年目の年収の20〜30%程度であると言われています。
つまり、転職者の年収が500万円であれば、100〜150万円の報酬を受け取ることができるわけです。
一人転職させただけでこれだけ儲かるのですから、仮に1ヶ月で100人斡旋すれば1億円……物凄い収益ですよね。
現在も多くの人材紹介会社がしのぎを削っているのは、こういった理由があります。
人材紹介会社の従業員の特性も理解しておきましょう。
人材紹介会社が運営している転職サイトに登録すると、薬剤師さん一人一人に専属の転職コンサルタントがつきます。基本的には最初についた担当者が最後まで面倒をみてくれます。
それで「一人の人間がすべて行っている」と勘違いしやすいのですが、実はそうではありません。人材紹介会社は分業制であり、様々な職種が協力しながら転職活動をしている薬剤師さんを支援しています。
例えば、「リクナビ薬剤師」で有名な業界最大手の人材紹介会社であるリクルートエージェントには、メインとなる2つの職種があります。
求人を出す企業に関わる営業職です。RAの仕事は以下の3つに分けられます。
・求人を得る業務……新規または既存の取引先と頻繁に連絡をとり、新たな求人をもらいます。
・求人票作成業務……様々な企業から得た求人の募集を募るため、求人内容などの詳細をまとめます。
・面接日程の調整……企業とCAの間に立ち、転職希望者と企業のコンタクト日程を調整します。
転職希望者と常に関わる仕事です。
転職サイトに登録するとすぐに担当者から電話が入り、転職活動がスタートします。その担当者がCAなので、一番わかりやすいでしょう。
CAの仕事も主に3つに分けられます。
・求職者応対業務……初回の面談から入社まで、転職活動の全過程において転職希望社を支援します。
・マッチング業務……人材紹介会社が持つ求人案件と受け持ちの転職希望者の求人を見合わせて、希望する企業を絞り込みます。
・ヒアリング業務……専門的な求人や転職者から希望があった場合、RAと共に企業を訪れ、詳細を調査します。
人材紹介会社で働く人達は、常に企業に足を運び、最新の情報を仕入れています。
「転職支援のエキスパート」と言えるでしょう。
転職サイトを使うことで多くのメリットが得られます。
上手に使って転職を有利に進めましょう。
上述したとおり、転職サイトの利用料は無料です。
人材紹介会社は、担当する転職希望者の転職が成功した場合にのみ、企業からコンサルティング料を貰います。
このコンサルティング料は、一案件につき数百万という高額なので、人材紹介会社の柱となる収益となります。
転職活動が不安な理由は、やはり転職の流れが分からないことではないでしょうか。
など、転職未経験者にとっては分からないことだらけです。
終わりまでの全体像が見えないので、余計不安になるわけです。
しかし、転職サイトに登録すると、転職コンサルタントが転職活動の流れを説明してくれます。
基本的に担当者は変わらないので、分からないことはメールや電話ですぐに聞くことができます。
「頼れるアドバイザー」にいつでもアクセスできるということは、心理的にかなり安心です。
人材紹介会社は、転職希望者の転職を成功させなければ収益が得られません。
そのため、転職希望者を支援する様々なサービスを提供しています。
私が受けたサービスだけでも
など幅広いものでした。
転職サイトを利用しなければ、これを一人ですべて行わなければなりません。
ほとんどの人は仕事をしながらの転職活動になるので、かなりタイトなスケジュールになってしまうでしょう。
転職サイトを利用することで、転職にかかる時間、労力、ストレスをかなり軽減することができます。
転職サイトに登録すると、希望する業界の企業情報が、定期的に届くようになります。
基本的にはメールに資料が添付されてくるので、時間が空いた時にチェックすることができます。
企業情報を自分で集めようとすると、ウェブサイトを調べたり、ハローワークを訪れたりしなければなりません。これは結構面倒なものです。
私は海外在住中、5社の転職サイトに登録し、大量の企業情報をもらっていました。すぐにメールボックスが一杯になってしまうことは困りものですが、これはフリーメールを利用することで解決できます。
薬学部卒業生や薬剤師国家資格を持っている人には、様々なキャリアの可能性があります。
それは、ドラッグストア、調剤薬局、病院薬剤師、製薬会社の研究職または営業、CROなど、多種多様です。
新卒なら、ほぼすべての業界への可能性があると言えるでしょう。
しかし、卒後数年を経ていると、やはり製薬会社やCRO、一部の病院薬剤師への就職は困難になります。
ただ、転職希望者の学歴やキャリア、資格などによって変化するのでなんとも言えない部分もあります。
「自分のキャリアからみて、希望する業界への転職は可能なのか」ということも、転職コンサルタントに聞いてみましょう。
彼らは専門とする業界に関して多くの情報、経験があるので、的確なアドバイスをくれます。
ときには厳しいアドバイスになるかもしれませんが、それも事前に分かれば対策ができます。
また、希望する業界の実情を聞いて、「自分のイメージと違っていた」ということもあるかもしれません。
自分の疑問はすべて転職コンサルタントに聞いて解決しておきましょう。
転職サイトは無料で利用できる大変便利なものですが、若干の欠点もあります。
人材紹介会社は、転職希望者を転職させて報酬を得ている企業ですから、数をこなさなくてはなりません。
当然、頻繁に連絡を取ろうとしてきます。
「多数の会社から頻繁に電話が来て迷惑だった」という薬剤師さんもいます。
ただ、これは自分の希望をきちんと伝えれば大丈夫です。
「昼間は仕事をしているから、水曜の18時以降に電話が欲しい」
「情報を集めている段階なので、企業情報はメールで欲しい」
とはっきり伝えましょう。
優良企業は転職希望者の意向に沿ってくれるものです。
しかし、それでも改善されなければ、その企業はブラックであることが多いです。関係を断ちましょう。
人材紹介会社は、転職を成功させなければ報酬を得ることができません。
そのため、求職者にとってあまり良くない条件は、あえて詳しく説明してこない可能性もあります。
さすがに、マイナビなどの大手企業はそのようなことは考えにくいです。
しかし、薬剤師求人を扱う人材紹介会社は日本に多数存在します。
そういった強引なやり方を行う企業が紛れ込んでいる可能性はあります。
対策として、転職コンサルタントが提供してくる情報の真否を確かめるために、複数の転職サイトに登録しておきましょう。
理由は、紹介案件がかぶることがあるからです。
希望する地域内の企業を紹介される場合、それぞれの人材紹介会社が同じ企業を紹介してくることがあります。
その企業の評判をそれぞれの転職コンサルタントに聞いてみて、同じ情報が返ってくればその情報の信憑性は高いといえます。
逆に、Aの紹介会社からもらった情報と、Bの紹介会社からもらった情報が異なる場合、それは怪しいといえます。
このように、複数の転職サイトに登録することによって、公平な情報を得られるようにしましょう。
私が転職サイトに複数登録することをお勧めする理由もここにあります。
転職は人生の大きなイベントであり、安易に決めるべきではありません。1人の転職コンサルタントの意見だけに頼るのは、ちょっと不用心といえます。
実際、転職した薬剤師の多くは、2〜3社の転職サイトに登録しているようです。
1人の転職コンサルタントが言う情報を鵜呑みにせず、複数の人から情報を集めて分析するということが一番大切です。
まとめとして、転職サイトに登録する前に注意しておくことを挙げておきます。
転職サイトに複数登録すると、すぐに電話やメールで連絡が入ります。
そこですぐに転職方法の説明に入ると思いますが、転職コンサルタントの言うことを鵜呑みしないようにしましょう。
業者の中には、言葉巧みに転職希望者を誘導し、すぐに成約に結びつけようとする企業もあります。
転職サイトはあくまで情報を集めるためのツールです。
信憑性の高い情報を集めるためにも、3社くらいの転職コンサルタントから話を聞きましょう。
また、自分でも希望する業界について調べておきましょう。
転職コンサルタントから提供される情報を分析するにも、基礎知識が必要です。
このホームページには、ドラッグストア、調剤薬局、病院薬剤師を経験した管理人による、業界の実情が書いてあるので、そちらも参考にしてみてください。
客観的な情報を得るため、複数の転職サイトに登録しておきましょう。
私は5社ほど登録していましたが、5社は多すぎるかもしれません。3社も登録すれば十分かと思います。
転職活動を成功させる上で大切なのは、「妥協点」を決めておくことです。
「妥協しない転職を!」とうたっている転職サイトもありますが、実際、自分の希望のすべてを叶える転職先は限りなく少ないです。
年収、福利厚生、休日、仕事内容、やりがい、など、すべて満足できる職場は難しいと思います。
自分の価値観をもう一度見つめなおしてみましょう。
転職サイトに登録すると、たくさんのメールが送られてきます。
メールアドレスを携帯のアドレスで登録してしまうと、プライベートに支障がでかねません。
できれば、フリーメールを取得しておきましょう。
※フリーメールの取得方法 ⇒ フ リーメールを取得しよう
関連記事
失敗しない薬剤師転職!
転職活動は面倒で苦労が多いものですよね。
しかし、その負担をずっと軽くする方法があります。
それは、キャリアコンサルタントに相談すること。
転職サイトに登録すると、専属のキャリアコンサルタントからアドバイスをもらうことができます。
求人紹介、面接調整、年収交渉などなど、面倒なところを代行してくれます。
転職サイトは無料で利用できるとても便利なサービス。
質のよい転職サイトの特徴と使い方を知っておきましょう。
→薬剤師の転職サイトの詳しい情報をみる