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病院薬剤師は、一般の方にとってはあまり馴染みのない職業かもしれません。
なぜなら、ドラッグストアや調剤薬局の薬剤師と比べて、日常的に一般人と接する機会が少ないからです。
私は病院薬剤師ですが、看護実習の学生から「病院の薬剤師さんが何をしているのか全然知らないのですが……」と真面目に質問されたことがありました。
テレビドラマやドキュメンタリー番組で頻繁に取り上げられる医師や看護師と違って、病院薬剤師はマイナーな仕事です。
当然、メディアに取り上げられることも少ないです。
世間の人はメディアで表現された印象を強く持つので、病院薬剤師と言われてもイメージが沸かないわけです。
しかし、近年、病院薬剤師の役割も大きく変わってきました。
調剤・製剤等を主な業務とした、いわゆる「モノ」を中心とした病院薬剤師業務から、「ヒト」を対象とした病棟における業務へと、病院薬剤師の業務は少しずつ拡大しています。
例えば
など、個々の患者に最適な薬物療法を提供するための、多様な専門的役割が求められるようになってきました。
高度かつ複雑化する医療の中で、病棟薬剤師は医療者として、より深く薬物療法に関与することを期待されています。
病院薬剤師業務は
から構成されています。
外来診察時の調剤や患者への薬剤の情報提供を行います。
しかし、医薬分業率が70%近くに達した現在(2014年)は、外来患者の院内で行っている病院は少ないです。
総合病院の近くには、たいてい調剤薬局が数店あり、外来患者はそこに処方せんを持ち込みます。
処方せんに不備(用法用量、相互作用など)がないかを病院薬剤師がチェックし、窓口で患者さんに渡しているケースもあります。
外来患者の調剤がなくなったことは、病院薬剤師にとってかなりの負担減となりました。
分業率が低かった時代は、外来患者の調剤も行い、その上入院患者の調剤も行っていたので、調剤だけで一日が終わっていたのです。
医薬分業が進んだおかげで、病院薬剤師は空いた時間を、服薬指導、処方提案などの病棟業務にあてることができるようになりました。
しかし、院外にだした処方せんに関しても、調剤薬局や患者本人から問い合わせがあるので、カルテをみて患者の状態を把握しておかなければなりません。
入院患者の調剤や、薬剤の情報提供(服薬指導)、輸液の用意、無菌製剤を行います。
薬の正しい使い方(適正使用)のための情報を提供します。
また、きちんと服薬できているか(飲み忘れがないか)、効果はあるか、副作用と思われる症状はないか、などもチェックします。
最近は、薬物療法において「アドヒアランス」という概念が叫ばれています。
アドヒアランスとは執着心(adherence)から来ており、患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けることを意味しています。
従来、患者は医療者から服薬を命令されるだけでした。
しかし、それだと患者が医薬品の服用を規則正しく守らない「ノンコンプライアンス」の状態になることが多かったのです。
その原因は、「薬を飲みたくない(または飲めない)」「治療の意味がわからない」「薬に恐怖感がある」など様々です。これらををケアすることなしで薬物療法を効果的に行うことはできません。
患者に服薬する意味をしっかり理解してもらうためにも、病院薬剤師の服薬指導は重要です。
輸液や注射薬の調剤、情報提供も、病院薬剤師の仕事です。
調剤薬局やドラッグストアでは扱うことが少ないため、病院薬剤師ならではの仕事といえます。
注射や輸液は皮下・血管内・腹腔内などに栄養剤、薬剤を投与できるため、体力が低下し口から食物が取れない重症患者、高齢者に適しています。
また、直接血管内に薬剤を投与することができるので即効性があり、アナフィラキシーショックを抑えたり、精神錯乱状態の患者を落ち着けるなど、急性期の患者に効果があります。
しかし、即効性があるため、一度投与してしまうと後戻りができません。口から服薬した薬剤なら胃洗浄などできますが、注射薬の場合は不可能です。
それだけに注射薬の調剤は、ミスが許されないシビアな仕事です。
輸液を扱っていると、投与速度について医師や看護師から質問を受けることもあります。
注射薬の中には、投与速度を守らないと副作用がでるものも少なくありません。
例えば、バンコマイシンの「red man syndrome(RMS)」or「red neck syndrome(RMS)」はその代表格です。
投与速度が速いと、顔や首、身体の紅斑性充血、そう痒、血圧低下などが現れることがあります。国家試験でもよく出る有名な知識で、添付文書にも記載があります。
無菌製剤も、最近は薬剤師が関わる業務となってきました。
無菌製剤とは、クリーンルームにいおいて薬剤師が抗がん剤などの特殊な薬剤を点滴パックへ詰めて製剤するものです。
抗がん剤治療は非常に慎重に扱わなければならないので、クリーンルーム内での製剤が求められます。
また抗がん剤には細胞毒性があるので、処置をミスすれば曝露してしまう可能性もあります。冷房が効いている寒いクリーンルームの中で、慎重に業務を行います
。
DIとはDrug Information から来ており、医師やコメディカル(医師以外の医療スタッフのこと)への薬剤の情報提供を行います。
内容は、がん患者の処方提案から、赤痢菌を持った患者が使ったトイレの消毒法など、多岐にわたります。
当然、患者へ提供する薬剤の情報も収集します。
情報の集め方は、製薬会社の学術やMRに問い合わせたり、ウェブサイトなどで文献を検索するなど様々です。
添付文書情報メニュー | 医療用医薬品の添付文書を一般名・販売名で検索できる |
医薬品医療機器情報提供ホームページ | 医薬品医療機器総合機構のHP。添付文書以外にもさまざまな薬剤情報を提供している |
妊婦と薬情報センター・ホームページ | 国立成育医療センターによる服薬中に妊娠した場合および妊娠を希望する場合の情報提供 |
Drug Safty Information | 国立医薬品食品衛生研究所が提供している医薬品安全情報 |
日本中毒情報センター・ホームページ | 化学物質(タバコ、家庭用品など)、医薬品、動植物の毒などによる急性中毒情報 |
メルクマニュアル 第18版 日本語版 | 世界で最も広く利用されている医学書の1つであるメルクマニュアルのWeb版 |
くすりのしおり | くすりの適正使用協議会のHPにある処方薬の情報提供サイト。一般の人用に作られている。 |
日本OTC医薬品協会 上手なセルフメディケーション | OTC医薬品の情報提供サイト。一般の人向け。 |
PubMed | 世界約70カ国、約4800誌の医学文献が検索できる米国立医学図書館によるデータベース。世界最大の医学文献データベースMEDLINEの全文献の検索が無料でできる。 |
iyakuSearch | 財団法人日本医薬情報センターが提供する国内外の医薬品情報に関するデータベース。「医薬文献情報」「学会演題情報」「医療用医薬品添付文書情報」「一般用医薬品添付文書情報」「臨床試験情報」「日本の新薬」「学会開催情報」のデータベースを検索することができる。 |
CiNii | 国立情報学研究所が日本の学術論文を中心として論文情報を収集・提供するデータベース。 |
Geogle Scholar | 分野や発行元を問わず、学術出版社、専門学会、プレプリント管理機関、大学、およびその他の学術団体の学術専門誌、論文、書籍、要約、記事を検索できる。 |
※処方提案について
処方提案とは、ざっくりいえば、医師に「どの薬をどれだけ使うか」を提案することです。
あくまで処方を決めるのは医師ですが、医師が薬剤を選択するための情報を提供しているわけですから、DI業務の一つと言えると思います。
近年、この処方提案は、「薬剤師のあるべき理想の姿」として、病院薬剤師でも調剤薬局でも必要性を叫ばれている業務です。
しかし、その薬剤師個人の能力、置かれた状況、医師との信頼関係、医師の専門性などが関わり、様々なケースが考えられるので、一概に「こうゆうもの」とは言えません。
処方提案ができる薬剤師となるには
ことが最低限必要です。
臨機応変に対応しなければなりませんが、自分の提案で処方が決まり、患者さんの容態が改善すると、とてもやりがいを感じます。
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