中小病院薬剤師のメリット・デメリット。総合病院にはない魅力とは?

中小病院薬剤師

 

中小病院だからこそ成長できること

 

 

病院薬剤師はチーム医療の一員として医師・看護師等と共に患者さんに最適な医療を提供することが求められています。しかし、病院の規模によって仕事のやり方はいろいろです。

 

一般的に‘病院薬剤師’というと、総合病院などでの仕事を想像する方もいるのではないでしょうか。総合病院などの専門科が集まる病院は薬剤師にとって人気の就職先である一方、中小病院はいまひとつ人気がないような気がします。

 

『調剤ばっかりして、病棟へはいけなさそう』

 

『専門的な知識を身に付けることは難しいのでは?』

 

『薬剤師としてのキャリアを積むことはできないのでは?』

 

・・・そんな風に思っていませんか?

 

たしかに、人数が少ないためそのような側面もあるかもしれません。

 

しかし、総合病院ではないからこその魅力もたくさんあります。これは実際に働いてみないとわからないことかもしれません。

 

今回は実際に中小病院で働いている薬剤師が、その魅力をお話します。

 

薬剤師・Iさんの経歴

新卒から中小病院(200床)の薬剤師として勤務。

 

調剤から病棟業務、DIまでこなすオールラウンダー。

 

糖尿病療養指導士、日病薬病院薬学認定薬剤師。

 

中小病院薬剤師の仕事内容はどんなもの?

 総合病院と中小病院は何が違うの?

総合病院

 

総合病院は、一般的に内科、整形外科、外科、内分泌・膠原病科、泌尿器科など、多くの科に細分化されています。

 

そこには専門医がいて専門的な治療を行っています。病棟担当薬剤師はその病棟ごとに配置されるため、配置された科でおのずと専門性は高まっていきます。

 

また、総合病院では薬剤師の数も多いため、中央業務(調剤業務)、製剤、DI、医薬品管理、病棟業務などで業務の担当分けがされます。病院によって異なりますが、業務はローテーションで回すことが多いようです。

 

一方、精神科単科病院などは別ですが、多くの中小病院では内科、外科などの専門科だけでなく、回復期リハビリテーション病棟、療養病棟、地域包括ケア病棟など病床機能別に分けられていることが多いです。

 

総合病院との大きな違いは、中小病院には必ずしも専門医がいるとは限らないということです。医師は自分の専門外の疾患についても診療を行う必要があり、薬物療法に関して薬剤師に意見を求めるケースも出てきます。

 

そうすると、薬剤師側も専門性に特化するのではなく、すべての疾患に対する幅広い知識が求められます。

 

また、次に解説しますが担当(分業)性ではなく一人の薬剤師が複数の業務を並行して行うため、さまざまな方向から物事をみることも求められます。

 

分業ではなくオールラウンダー

中小病院では総合病院と比較して薬剤師の人数が少ない傾向にあります。
そのため、例えばDI担当、病棟担当、製剤担当などの分業ではなく、一人の薬剤師が調剤、製剤、病棟などすべての業務を行います。

 

人数が少ないため、誰かが欠けたら業務ができないようでは現場が困ってしまいます。どの業務でもできるように、薬局長も含めて全員が同じレベルで調剤、病棟、DIなどできるような体制をとっているのも総合病院との違いかもれません。

 

全ての業務を並行して行うということは、一見して非常に大変に思えます。しかし、幅広く業務に関する知識が身に付くため、薬物療法の提案をしながら病院経営を考えるなど、多角的に物事をみることが可能となります。

 

中小病院では、幅広い薬物療法に関する知識と、それを支える医薬品管理や調剤などの基礎的な知識をあわせて、オールラウンドに業務を行うことができます。

 

中小病院薬剤師のメリット・デメリット

中小病院勤務の薬剤師

中小病院薬剤師の仕事内容

仕事内容は総合病院でも中小病院でも変わりはありません。

 

中小病院で働く最大のメリットは自分の薬学的な意見が処方に反映されやすいことです。

 

薬剤師だけではなく医師も少ない人数で業務を行っているため、医師は当然忙しく、また時には専門外の疾患を見なければならないというようなこともあります。そのため、医師から処方に関して、薬剤師に相談してくれる医師が多い傾向にあります。

 

医師とのやり取りが増えることで、自然と医学的な知識も身に付きます。
その結果、医師の処方意図などを理解しやすくなり、腎機能評価による投与量設計、『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015−日本老年医学会』などを参考にしたポリファーマシー対策のための減薬提案など、薬物療法に関しての提案が行いやすくなります。

 

一方、デメリットとしては、認定・専門取得に制限が出る場合があるということです。

 

例えば、がん専門医がいないから、がん専門薬剤師が取得できないなど、病院機能によって認定取得に制限が出るのはデメリットといえます。

 

スペシャリストとして活躍していきたいと思っている方は、希望する病院でどのような認定・専門を取得することが可能か調べてから転職・就職活動を行うのがよいかもしれません。

 

中小病院薬剤師の労働環境

基本的には薬剤部と病棟を行き来しているため、1日中動き回っている状態です。残業する日もありますが、想像されているより激務ではないと思います。

 

調剤に関しては、今は機械化が進んでおり、少ない人数での調剤が可能となっています。

 

総合病院では夜勤シフトがある病院が多いですが、多くの中小病院の場合では夜勤シフトを導入しているところは少ないようです。また、転勤等もないため薬剤師の顔ぶれはほぼかわらずというのが一般的です。

 

休日取得については、ある程度希望どおりにとれますが、実際には人数が少ないため休みがとりにくい場合もあります。休日取得はある程度人数のいる総合病院の方が取りやすいかもしれません。

 

人間関係はどうなの?

医師も薬剤師も人数が少ないため、総合病院と比べると医師との距離が非常に近いのが魅力です。
また、看護師はじめ他職種と距離も近く、普段からコミュニケーションを取ることができます。なんでも相談しあえるような関係を築きやすいのは、中小病院のメリットといえます。

 

一方で、人数が少ないため一度関係がこじれてしまうと修復が難しい場面もあります。日頃から良好なコミュニケーションをとっていく必要があるでしょう。

 

中小病院でもキャリア形成はできる?

中小病院でも認定薬剤師、専門薬剤師の取得は可能です。中には施設基準などで取得ができないものもありますが、多くの認定資格は取得可能です。私の知り合いの薬剤師も、中小病院に勤務しながら複数の資格を持って活動しています。

 

今は学会参加や研修会への参加を支援してくれる病院も多いため、中小病院でもキャリアを積むことは十分可能です。

 

ただし、病院機能によっては取得困難な認定資格もあるため、転職・就職の際は自分が取りたい資格が取得可能な環境であるかを調べてからがよいでしょう。

 

中小病院薬剤師の給料について

年収は400〜600万くらいです。初任給は20万前後からのスタートになりますが、定期昇給やボーナスもあります。

 

もちろん、残業代もでますし、職務手当等の調整手当もあります。さらに中小病院は慢性的な人員不足のため、病院によっては総合病院よりやや給与が高い場合があります。

 

ただ、やはり調剤薬局と比べるとスタート時の年収は低くなります。

 

まとめ

中小病院の薬剤師は少ない人数で業務を行うため、実際に大変な側面もあります。

 

しかし、見方を変えるとメリットも見えてきます。
例えば、入院患者の情報を把握している(病棟業務)から、調剤業務がスムーズに行える。医師や看護師からの相談が多いため、調べていくうちにいつの間にか幅広い知識が身に付くなど、中小病院は薬剤師としてとても成長できる環境です。

 

総合病院などでスペシャリストを目指すのも病院薬剤師として働く楽しみですが、総合的に薬の相談になんでも乗れるジェネラリストを目指すなら、中小病院は非常に魅力的な環境と言えます。


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