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なぜMRは薬剤師へ転職するのか?
薬剤師業界で長く働いていると、「前職はMRでした」という薬剤師が結構いると感じます。
事実、新卒で製薬会社のMRとしてキャリアをスタートするも、何かのきっかけで薬剤師にキャリアチェンジする人は多いのです。
しかし、MRといえばエリート職の代名詞。
年収1000万円を超える可能性がある、数少ない仕事の一つですよね(参考記事:普通の薬剤師が年収1000万円級の高年収を得る方法とは?)。
「なぜ今更薬剤師に?」と疑問に思う人は多いのではないでしょうか。
そこで今回、MRから調剤薬局へ転職した薬剤師さんに執筆いただきました。
なぜ、MRという将来有望な職を捨て、薬剤師にキャリアチェンジしたのか。
MRから薬剤師に転職することのメリット、デメリットは何なのか?
このあたりについて、経験者の立場から解説いただきました。
(以下、川上さんの執筆)
私は製薬会社でMRとして働いていましたが、3年前に調剤薬局に転職し、現在は管理薬剤師として働いています。
それぞれの仕事にメリット、デメリットがあると感じましたので、それをお伝えできたらと思います。
MRとはmedical representativeの略で、医薬情報担当者とも呼ばれます。
仕事内容は自社の医薬品の安全性、有効性に関わる情報収集と、プロモーション活動を行っています。
MRは自身の活動が患者さんの健康にも寄与するため、社会貢献度の高い仕事であると同時に、給与や福利厚生面の待遇も良いため、非常に人気のある仕事です。
あまり転職する理由はなさそうな職業ですが、実際にMRから転職をする人も多くいます。
特に薬剤師資格を持っているMRは、調剤薬局などへ薬剤師として転職するケースが多くなっています。
私が転職しようと思った一番のきっかけは結婚して子供が産まれたことです。
MRは全国転勤のある仕事ですので、20代の独身のうちは良いですが、30歳をすぎて子供が産まれ、子供の進学等を考えるようになると、転勤が少ない仕事に転職して生活基盤を安定させた方が良いのではないかと思うようになりました。
ここからは、
についてお話します。
これが理由でMRから転職する人も多いかと思います。
MRは北海道から九州まで、全国転勤のある仕事です。
約5年で勤務地が変わっていくので、色々な土地で暮らせるということを魅力に感じる人には良いですが、知らない土地でなかなか馴染めなかったりすると、生活しづらくなります。
また、私のように結婚や出産などのライフイベントがきっかけとなって転職を考えるケースも多いようです。
MRも専門性が高いのでは?と思われるかもしれません。
確かに、MRをしていると自社の医薬品やその診療分野には詳しくなります。
しかし、それ以外の分野に触れる機会が少なくなるため、知識量も「深く狭い」ものになってしまいがちです。
これは私も薬剤師になろうと考えた理由の一つなのですが、仕事をしていく中で、医療に携わるものとしてもっと広い知識を持つことが出来たらと考えるようになりました。
これは女性に多い理由です。結婚や出産を機に退職して、薬剤師として職場復帰するケースは非常に多くあります。
現在、MRの女性比率は約2割と言われていますが、パートや派遣で働くことは難しく、また転勤があるMRは子育てを終えた女性にとっては復職して働くのは大変です。
結婚するまではMRとして働いて、出産、育児後は時間の融通の利く調剤薬局などでパートや派遣として働く人が多いようです。
一般的に、社会人が転職を考えるのは新卒3年目から5年目が最も多いと言われています。
自分に合わない仕事だと感じたとしても、ある程度経験を積まなければ本当に自分に向いていないのか正しい判断ができません。
また、3年目となるとようやく一通りの仕事を覚え、一人前と言われるようになる時期です。
しっかりとした知識や経験を積んでおいたほうが、将来のキャリアアップにも繋がる可能性が高くなります。
これは、MRも例外ではありません。
MRの1年目は12月のMR試験まで研修をしている企業も多く、本格的に仕事を覚えるのは2年目以降です。
その後、30歳の節目に転職を考える人が多いので、ある程度経験を積んだ30歳前後が、最も転職者が多くなります。
MRを定年まで勤めた後、第二の人生として調剤薬局に再就職する人も多いです。
MRでは定年後に再就職される嘱託社員として仕事を続けることもできますが、負担の少ない調剤薬局で働きたいという方もいます。
60歳を過ぎた転職は一般的には難しいとされていますが、薬剤師は全国的に不足していることもあり、定年後でも働き口を探すのは難しくありません。
MRから調剤薬局へ転職すると、その仕事内容はまったく変わってきます。特に調剤業務は未経験なため、苦労することも多いようです。
しかし、薬剤師として働くうえで、MRとしての経験が無駄になることはありません。以下のようなスキルは、薬剤師としても役に立つものになります。
MRは営業として医師を初めとした医療関係者と良好な関係を築く必要があります。
そのため、高いコミュニケーションスキルが必要となります。
これはもって生まれたものもありますが、経験を積んで身につくものもあります。
そして、このスキルは薬剤師においても役に立ちます。
薬剤師には人と話すのが苦手で通り一辺倒な服薬指導しかできない人も多いですが、患者さんの悩みに応えたり、Drと有効な関係性を築くことができるということは、薬剤師にとって非常に大切です。
薬剤師を含め医療職は、正しいビジネスマナーを知らない人も多いようです。
新卒や転職で入社しても服薬指導などの薬剤師としてのスキルは研修があっても、ビジネスマナーについて学ぶ機会がないためです。
特に小規模の薬局だと、そういった点まで教える余裕はないようです。
しかし、薬剤師の仕事においても高いビジネスマナーを持っていることは他者との差別化になります。
MRは営業職として、入社後は徹底的にマナー研修を受けるため、医師や患者さんに対しても失礼のない応対ができます。
薬剤師になるとすべての薬に対する幅広い知識が必要になりますが、MRは自社製品を中心とした特定分野に対する専門性が身に付きます。
特に同系統の医薬品の違いなど、有効性や安全性に関する知識は薬剤師よりも深いように思います。
また、Drに対し有効な文献を探し、それを基に話をする機会が多いので、情報検索能力と処理能力が身に付きます。
ここまで、MRから転職するメリットを中心にお話してきましたが、以下のようにデメリットに感じた点もあります。
これはほとんどの方が理由に挙げることだと思います。
MRは全職種の中でも高給な仕事となっていますので、営業手当や福利厚生面まで考慮すると、より良い条件で薬剤師に転職するというのは難しいでしょう。
また、MRは出世し、年を追うごとに昇給していくのに対し、薬剤師の伸び率は低く、ある程度の年収で頭打ちになってしまいます。
ただし、薬剤師の給料が特段低いわけではなく、そして安定感がありますので、「多少下がってもこれだけもらえるのなら十分だ」と自分で折り合いをつけられるのであれば、問題ないでしょう。
長年MRとして働いていると、医療業界にいたとはいえ、調剤未経験であることはどうしても不安に思ってしまいます。
もちろん薬剤師として働き始めれば自然とみについていくものではありますが、どうしても不安があるという方は、「調剤未経験者のための研修を行っている企業」を転職の条件に入れて探してみましょう。
MRから薬剤師に転職をして3年余りが経ちましたが、私自身は転職してよかったと思っています。
当然年収が下がった等のデメリットも感じましたが、それを上回るメリットを感じています。
私が入社した薬局は全国に100店舗ほどを構える準大手の調剤薬局チェーンです。
現在は管理薬剤師としての業務を学びたいと思い、1つの薬局に固定で働いていますが、様々な診療科に触れたいと思えばそれぞれの店舗に週替わりで入って働くということも可能です。
自分のキャリアプランに沿って働き方を選択できるので、目標が立てやすいです。
また、直接患者さんと接することができる点も、これまでとは異なるメリットです。
MRでは医師などの医療従事者のみを相手にする仕事でしたので患者さんの健康に貢献しているのかわかりづらいものでした。
今は直接「ありがとう」と言ってもらえることも多く、それが仕事に対するモチベーションにもなっています。
MRに比べて、転勤が少ないため将来設計が非常に立てやすくなりました。
また、勤務時間や休日も決まっているため、プライベートな予定も立てやすく、家族との時間をしっかり取ることができています。
私は転職する際に抱いていたイメージと、ほぼ変わらない環境で仕事をすることができていると感じます。
もしもMRをされている方で今の仕事に負担を感じている方、その経験を活かして違う仕事に就きたいと考えている方がいるのなら、調剤薬局への転職も考えてみてはいかがでしょうか。
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