DM(データマネジメント)のやりがい、大変さとは?DM経験者が解説

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DM(データマネジメント)のやりがい、大変さとは?DM経験者が解説

DM

DMのやりがい、辛さとは?

 

 

臨床開発(治験)の業界ではCRAが圧倒的に知名度が高く、それ以外の職種についてはあまり知られていない事が多いと言われます。

 

知られてはいないけれども、必ずなくてはならない職種の1つ。

 

ここではデータマネジメントについてお話をしたいと思います。

 

会社の規模などによってデータマネジメントの実務は若干異なる部分もありますが、一般的な話として捉えて頂ければ幸いです。

 

執筆者:E氏

 

大手CROに勤務。
CRA(臨床開発モニター)からDM(データマネージャー)を経て教育研修室へ配属。新入社員の教育や継続研修を担当。

 

データマネジメントの役割とは?

 

CRA(臨床開発モニター)はGCPに基づいて医療機関を選定し、治験責任医師とともに被験者の状態をモニタリングしなくてはなりません。

 

ではCRAの最終的な目標は何と言えるでしょうか。

 

治験に参加してくださった被験者の治験データ、つまりGCPで定める所のCRF(症例報告書)をSDV※によって精度を上げ、そして回収してくる事が目標という事も出来ます。

 

※SDV:症例報告書に記載されている内容、および転記された内容が正確な物であるかを確認するために、CRAが患者カルテなどを閲覧して比較・確認する作業

 

しかしながらどれほど経験を積んだCRAであっても、人間がチェックをする以上、記載漏れや記載ミスを100%防ぐことはできません。

 

CRFは特許を申請するにあたっての最も重要な根拠となる書類です。
その書類に不備があったのでは、その治験自体の意味が無くなってしまうとも言えます。

 

一般的にCRAが回収してきたCRFはQC※のチェックを受けます。

 

※QC(クオリティコントロール):治験の質を検証する品質管理業務

 

QCによるマニュアルチェック(人の目によるチェック)を受けてクリーニングをされますが、CRFのクリーニングはもっと精度を高めなくてはなりません。

 

データマネジメントでは、データマネジメント計画書に基づいてデータのクリーニングを行います。

 

データベースにCRFのデータを格納し、マニュアルチェック(人の目によるチェック)及びロジカルチェック(プログラムによるチェック)の2つを行います。

 

そのチェックを専門的に行い、データベースに格納されたデータを統計解析ができる形に整えて渡す部署、それがデータマネジメントなのです。

 

データマネジメントのやりがいとは?

DMのやりがい

マルチタスクが身につく

データマネジメントの特徴して挙げられる事として、マルチプロトコール業務という点があります。

 

多くのCRAは担当する治験は1本、多くても2本と言われますが、データマネジメントの場合には数本から多い時には10本以上のプロトコールを同時進行で扱います。

 

扱うプロトコールが多いということは、その数だけプロトコールを熟読しなくてはなりません。
選択基準や除外基準だけでなく、併用禁止の薬剤やスケジュール管理などを非常に細かく要求されます。

 

高いコンピュータ技術が必要とされる

データベースを扱う部署という事もあり、コンピュータを扱う技術が要求されます。

 

会社によってはEDC(電子CRF)の構築やロジカルチェックのプログラミングを別部署で行う事もありますが、
運用を担当するのはデータマネジメントなので、当然の事としてプログラミングやデータベース構築の知識が必要となります。

 

何か不具合が出た際に、すぐに担当者へ連絡する事も重要になりますし、どこでエラーを吐いているかを迅速に把握するためにも、やはりコンピュータの知識・技能は重要といえるでしょう。

 

幅広い専門性が要求される

定義書に基づいて淡々とチェックをする部署と思われがちですが、実際には異なっている部分が多くあります。

 

CRFで回収されてきたデータの全てをチェックする必要があり、例えばCRAが発見しきれなかった検査データの異常値などを見抜く最後の砦としての機能があります。

 

被験者の既往症や薬歴を照らし合わせて、検査データや有害事象が本当に治験薬の影響によるものか否かを確認しなくてはなりません。

 

つまり、データマネジメントは臨床検査、病理学、薬学といったあらゆる専門知識を必要とされると言って過言ではないでしょう。

 

また治験ごとに薬剤名や有害事象名などにバラツキがあっては、他の治験のデータとの比較が出来ないので、コーディングという作業をするのもデータマネジメントの重要な仕事の1つです。

 

他の会社や他の治験で扱った薬剤と、その治験で扱った薬剤を同じ物とコンピュータ上で認識させるために行うのがコーディングです。

 

医薬品コード集などを用いて、表現方法や記載方法が異なっても同じ薬剤である事を認識させる為に、非常に重要な作業となります。

 

例えば医師がCRFに記載した内容でも、医師によっては書き方が異なります。

  • 25mgボルタレンサポ
  • ボルタレン座薬 25ミリグラム

この二つの薬剤は同じ薬剤ですが、コンピュータ上では全く異なる薬剤として認識されます。

 

この二つが同一の薬剤である事をコード化と呼びます。

 

例えば医薬品コード集に、”01234567”とあった場合には、

  • 25mgボルタレンサポ       →01234567
  • ボルタレン座薬 25ミリグラム →01234567

とコード化する事によって同一の薬剤として扱われる事が出来るようになるわけです。

 

同じように有害事象や副作用に関してもMedDRAと呼ばれるコード集を用いてコーディングを行います。

 

データマネジメントは多岐に渡る知識と技能が必要になるという意味で、非常にやりがいのある業務と言えます。

 

データマネジメントの大変さ

DMの大変さ

 

先述の通り、データマネジメントに求められる知識や技能は底が測れないほど、多岐に渡ります。

 

全ての専門分野を専門家と同程度まで習得する事は不可能ともいえます。

 

しかし、個々人では不可能でもデータマネジメント部署として見た場合には、その多岐に渡る知識と技能を要求されるともいえます。

 

そういった点から非常にプレッシャーが強い部署といえるでしょう。

 

CRFをクリーニングする最後の部署であり、もしもここでエラーが見逃された場合には、治験の解析結果に影響が出る訳ですから、問題は深刻です。

 

精神的につらい面も当然あります。

 

CRAが苦労をしてアポイントを取り、出張をして回収してきたCRFにミスがあった場合、それを指摘しなくてはなりません。

 

CRAは感情的に反論をしてくる事もありますが、定義書に基づいて、またGCPに基づいてそれらを指摘しなくてはいけないのです。

 

当然、出張経費や人件費も増大するために会社から注意を受ける事はあります。

 

しかしながら、そのプレッシャーをも跳ねのけて修正指示を出す事こそがデータマネジメントの存在意義とも言えるのです。

 

複数のプロトコールを扱う物理的な大変さと、対人のダメ出しをする精神的な大変さ、その両方が重くのしかかってくる職種です。

 

それがデータマネジメントという職業です。

 

決して表舞台に立つ事は無いですが、裏方として治験をデータから見守る役割がある仕事なのです。

 

 

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