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無菌調剤というと、何度も手洗いをして、大きな施設内でエアシャワーを浴びてから大がかりな設備を使わないとできないイメージがありませんか?
無菌調剤とは「無菌室、クリーンベンチ、安全キャビネット等の無菌環境において無菌化した器具を使って製剤処理をする事」です。
無菌化は主に消毒用エタノール等で消毒してから行います。
必ずしも無菌室が必要な訳ではありません。
私達が生活している空間には様々な細菌やウイルスが存在していますが、健康な人々には特に害を及ぼしません。
しかし、たくさんの細菌やウイルスが存在する環境下で混合操作され、何時間か経過した輸液を抵抗力弱い患者様の中心静脈に投与すると、最悪は敗血症を引き起こしかねません。
抵抗力の弱い患者様にも安心して中心静脈療法を受けていただくためにも無菌調剤は必要です。
やはり、怪我をしないようにする事。
患者様の血液が体内に入るわけではないですが、針刺し事故は痛い思いをします。筆者も爪と指の間を刺したときはそうとう痛かったです。
一度怪我をすると怖くなってアンプルを割るのも恐る恐るになってしまい、かえって危ないです。
怪我をしたまま無菌調剤はできないので交代してもらわなければならないので他の業務にも支障をきたします。
くれぐれも怪我には気を付けて無菌調剤をしてください。
ここでは、無菌室に入るところから手順を書きます。
クリーンベンチのみの薬局は準備作業と混注手技から参考にしてください。
せっかく混注しても配合変化が起こってしまったら明らかに損失です。また、変化が目には見えませんが成分が失活しているときもあります。
そこで予め配合不可ではないか調べてから混注します。
@処方内容を監査後、配合変化の有無、混合輸液の安定性、粉末製剤の溶解液を検討します。
A基本液に全て配合するので用量的に可能か調べます。
予備容量は添付文書にも載っています。また、インターネットでも調べることは可能です。
(毎回使う輸液の予備用量は薬局内で一覧にしておくと便利です。)
Bそれぞれの薬品が配合可能か判断します。
注射薬の配合変化に記載した書物やメーカーのデータではそれぞれの薬品同士1対1で配合したものしか記載していないことが多いです。
ex.
ビソルボン1Aとラシックス1Aを合わせたデータが配合に適しなかったとします。
しかし、実際はフルカリック1号にラシックスとビソルボンを注入するというもので、上記二つを直接配合した場合とは異なります。
フルカリック1号一本にビソルボン、ラシックスのそれぞれを入れたデータがあったとしたら配合後のそれぞれのpHが大きく違わなければ3種の薬剤を配合できると考えます。
用量の大きな輸液に溶解すると大きなpH変化は起こりづらいです。
それぞれのアンプルを吸い上げるシリンジや注射針は変える等の配慮はした方がよいです。
シリンジを変える等のメモを処方せんに貼るなどして混注する方にわかるようにするといいと思います。
Cエレメンミック等の微量元素製剤は配合変化を起こしやすいので、注射針やシリンジは変えるようにする。
いよいよ、作業の行程に入ります。
ただ、その前に無菌室やクリーンベンチの稼働はしておいてください。
それぞれのクリーンベンチや無菌室によって準備のやり方は異なるのでそちらの手順は割愛します。
また、クリーンベンチを稼働させてから薬剤、注射針、注射筒は予めエタノール等で消毒して必要な量を中に入れておく事をお勧めします。
ここでは手技の注意点をいくつかご紹介します。
@アンプルの上部に薬液がたまっていないか確認する。たまっているときは上部を指ではじいて落とすか、手首を回して振り落とす。
Aアンプルのカット部分をアルコール綿で消毒する。(ガラス、ゴミ、汚れを拭き取るため)
Bアンプルの体部を片手で持ち、アンプルのカットポイント(シールの貼ってある部分を)上部にむけてアルコール綿で包み、親指と人差し指でしっかりと挟んで向こう側に倒してカットする。
こわごわカットするときれいにカットできないので思いきりが大切です。
Cカットする際にガラスが薬液に混入しているといけないのでしばらく静地させてガラスを沈殿させる。
Dアンプルを持って横に向け、注射針の穴が空いている面を下にして開口部に挿入して、アンプルの肩の部分で薬液を吸うようにする。このときできるだけ注射針はガラス面にふれないようにする。
薬液の残りが少なくなってきたらアンプルの傾斜を急にして注射針とVの字をつくるようにすると吸い上げやすい。
@キャップを取り、ゴム栓をアルコール綿で拭く。粉末製剤は適当な溶解液をシリンジにとる。(添付の溶解液がないときは生食、5%ブドウ糖液、TPN基本液等の配合変化が起こりにくいものを使用する)
Aゴム栓に注射針をまっすぐ刺して溶解液を注入する。斜めにさすとゴム片が削られて薬液にゴム片が入り込むコアリングを起こすことがあるので注意する。
B溶解液で薬剤をしっかり溶かす
C溶解液を注入するときは少しだけ空気を入れるとバイアル内の圧が上がるので溶かしたあとの薬液を吸い込みやすい。空気を入れすぎるとバイアルのゴム栓がとれたり、一度刺した穴から薬液が漏れるので注意する。
・注射筒の内筒部分を調整時になるべく触らないようにする。
薬液を吸い上げるとき、手の小さい人はどうしても触ってしまいがちですが触らない方が清潔な操作です。
使用後の空アンプルやバイアル、薬液の残量、薬剤名、規格を確認する。
配合後の色調変化はないか、不純物ははいっていないか、コアリングは起こっていないか、破損がないか、ラベルの貼り間違えは起こっていないか等確認する。
無菌調剤は他の業務と異なり経験が必要になります。しかし、手技を一度覚えるとずっと自分のものになります。
最初は不安に思いますが、慣れてしまうとなんてことはないです。この業務は習うより慣れろの分野なので機会があればどんどん携わっていきましょう。
あとは、配合変化についても感覚的に慣れておくと病院で勤務するときにも役立ちます。
病院ではよく、こちらの輸液ともうひとつの輸液を同じルートで投与して大丈夫かと聞かれます。
そういった方はこれ以上ルートがとれない重症な方もいます。短時間で答えを出すためにも少し覚えておくと便利だと思います。
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