「薬剤師×糖尿病療養指導士」で得られる専門性・やりがいとは?

糖尿病

 

薬剤師が糖尿病治療へ「一歩踏み込む」ために

 

薬剤師の「I」と申します。

 

私は中小病院の薬剤師として主にポリファーマシー対策、糖尿病療養指導士という仕事をしてきました。

 

今回は私が糖尿病療養指導士を取得した理由をお伝えします。
興味がある方の参考になれば幸いです。

 

糖尿病用指導士になろうと思ったきっかけ

糖尿病

 

まず、日本の糖尿病治療の現状について説明します。

 

厚生労働省が行った調査によると、日本の人口の約6分の1が糖尿病または予備軍(数としてはH26年で糖尿病と診断されている患者は316万6000人、予備軍は別に1000万人以上)といわれているのに対し、専門医は4760名程度です。

 

患者に対して専門医が足りないという現状があります。

 

そのため、適切な糖尿病治療のためには、専門医以外の医師や、薬剤師、看護師などのコメディカルスタッフとのチーム医療がかかせません。

 

病院薬剤師として日々の業務の中で思ったこと

病院薬剤師として病棟でいろいろな職種から相談を受ける中で多かったのが、糖尿病に関するものでした。

 

『糖尿病治療薬の使い分けがわからない』
『患者にどのように療養指導をすればいいのかわからない』
『先生も忙しそうで、いまさら具体的な療養指導内容を聞けない』

 

確かに、薬剤師は薬に関しては他の職種よりも詳しいです。だって専門分野ですから。しかし、療養指導に関してはさっぱりでした。

 

自分が、『わからない』と思ったことをきっかけに、糖尿病専門医が少ない現在の日本医療では、医師の指示を待つだけでいいのだろうか。自身の専門分野の知識だけを強化するのではなくと、それを他の職種と共有し、逆に医師に提案を行うことが必要なのではないか??当時の私はそう思いました。

 

しかし!『療養指導』といっても実際よくわかりません。服薬指導と違うということはなんとなくわかりますが・・・。ということで、勉強しようと思ったことが療養指導士を目指したきっかけです。

 

糖尿病療養指導士とは

糖尿病管理

 

2000年に発足した日本糖尿病療養指導士(Certified Diabetes Educator of Japan;CDEJ)は、日本糖尿病療養指導士認定機構が認定する認定資格で、糖尿病治療に最も大切な自己管理(療養)を患者に指導する医療スタッフです。

 

また、『糖尿病患者の療養指導は糖尿病の治療そのものであるとする立場から、患者に対する療養指導業務は、わが国の医療法で定められているそれぞれの医療職の業務に則って行うものとする。』と、日本糖尿病療養指導士認定機構細則により定められているとおり、様々な職種が療養指導士として業務を行います。つまり、糖尿病療養指導士は、各職種の役割の中で多職種と連携しながら、患者の糖尿病セルフケアを支援するスペシャリストとしての役割を持ちます。

 

2001年に第1回認定試験が行われ、現在まで約20,000人のCDEJが糖尿病療養指導に携わっています。

 

CDEJは一定の経験を有し、試験に合格した看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士に与えられる資格です。また、各地域で設立・運営されている機構が認定する、地域糖尿病療養指導士(LCDE)があります。

 

CDEJは全国で研修を行い、共通の試験で認定を行うため糖尿病療養指導士のレベルが一定ですが、研修や試験などに時間や費用がかかり、個人の負担が大きくなります。

 

一方で、各地域で運営されるLCDEは地域ごとの認定のため、研修や試験などの移動や費用負担が少なくてすみます。

 

糖尿病療養指導士になるには?〜受験資格・取得難易度〜

糖尿病療養指導士には

  • 日本糖尿病療養指導士(CDEJ)
  • 地域糖尿病療養指導士(LCDE)

があり、受験資格が異なります。

 

日本糖尿病療養指導士(CDEJ)の受験資格は公式サイトから確認できます。

 

日本糖尿病療養指導士認定機構(CDEJ)公式サイト

 

また、今回ご紹介するLCDEの受験資格に関しては、筆者の所属する地域(新潟県)の受験資格となります。LCDEは地域によって受験資格が異なりますので、認定取得の際には各地域の受験資格をご確認ください。

 

 

日本糖尿病療養指導士(CDEJ) 地域糖尿病療養指導士(LCDE)
保有資格 薬剤師、看護師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士 医師、歯科医師、薬剤師、看護師、准看護師、保健師、助産師、管理栄養士、栄養士、臨床衛生検査技師、理学療法士、歯科衛生士などの国家資格を有する者、またはその他適格と認められた者。

施設資格
*すべてを満たす医療施設

当該施設に勤務する1)、2)のいずれかに該当する医師が糖尿病療養指導にあたり受験者を指導していること
1)常勤又は非常勤の日本糖尿病学会専門医(非常勤の場合、月1回以上の勤務が必要)
2)日本糖尿病学会の会員で、糖尿病の診療と療養指導に従事している常勤の医師
外来で糖尿病患者の診療が日常的に行われている。
糖尿病の患者教育、食事指導が恒常的に行われている。

なし
実務経験 上記施設資格を満たす医療施設で、過去10年以内に2年以上継続して勤務し、糖尿病患者の療養指導業務に従事し、かつこの間に通算1000時間以上糖尿病患者の療養指導を行ったこと 上記の職種での臨床経験2年以上、または業務活動(保健師、調剤薬局薬剤師など)2年以上を有する者。業務を通して糖尿病患者の療養指導に従事した経験が1年以上あること
自験例 受験者が、実務経験のなかで糖尿病患者の療養指導業務に従事した期間に、当該施設で携わった糖尿病療養指導の自験例が10例以上あること 自身の経験した糖尿病療養指導自験例が5症例あること
講習会受講 日本糖尿病療養指導士認定機構が開催する講習会を受講し、受講終了証を取得する事 県糖尿病療養指導士育成推進協議会が開催した研修会、ならびに認定機構の学習会に参加して、そのカリキュラムの2/3以上を講習すること。

 

 
CDEJの取得には施設基準などの条件が厳しい部分がありますが、LCDEは比較的取得しやすいと思います。実際、私は施設基準がCDEJの受験資格に満たなかったためCDEJを取ることができませんでした。

 

糖尿病療養指導士を持つ薬剤師ができること〜専門性の発揮〜

糖尿病専門医

 

糖尿病療養指導士として活動する中で私なりに感じたCDEJもしくはLCDEを持つ薬剤師ができること――たくさんありますが、あえて言うならふたつです。

  1. 薬を通して患者と他の医療職を繋ぎ、チームの中心もしくは相談役としての役割
  2. 患者が自ら進んで糖尿病治療に参加するための働きかけ

糖尿病治療は薬物療法が中心となる部分が多いため、服薬指導に力を入れることは当然です。しかし、薬のことだけ詳しくなればそれでいいのでしょうか?

 

糖尿病と診断されて治療・療養指導が始まった患者は、食事・運動・服薬の重要性を教育され、合併症リスクに関しての情報を与えられます。患者にとって、これはネガティブな情報ですよね。だってそれまでの生活習慣を変えなければいけませんから。

 

そして頑張ったつもりでも検査結果が思わしくなかった・・・なんてこともあるかもしれません。やる気をなくすことだってあるかもしれません。

 

糖尿病療養指導の勉強をするということは、そういう患者の心理的背景はもちろん、糖尿病の診断に至るまでのながれ、食事療法とはどんなものか、運動療法とはどんなものかなど様々なことを総合的に学ぶということです。

 

そして、薬をきっかけにその患者の問題点をみつけ、いろいろな職種と相談しながらチームで考えて療養指導を行うことが、薬剤師が糖尿病療養指導士としてできることです。

 

また、服薬指導を通して患者が自発的に治療に参加出来るように働きかけることも薬剤師ができることだと思います。

 

薬剤師が糖尿病療養指導士を取得するとどんなメリットがある? 

医療人としての成長

糖尿病という疾患に関して総合的に考えることができるようになるため、チーム医療の中で他の職種と話がしやすくなります。また、療養指導の勉強を通して他職種への理解も深まります。

 

私は実際に栄養士がどんな指導をしているのか、理学療法士が行う運動療法はどんなものなのか、資格取得を通して理解が深まりました。

 

また、認定資格を取得していることで、職域において信頼され、自身の指導や支援に自信を持つことができます。

 

キャリア形成、給与への反映

認定取得が即給与へ反映されることはないようです。しかし、認定資格のため転職などの際は有利になるのではないでしょうか。

 

また、認定取得を通して他職種から信頼を得ることができるため、将来的には様々なキャリア形成が期待できます。

 

まとめ

糖尿病治療に薬物療法が必要である以上、療養指導において薬剤師は重要な役割を果たします。しかし、薬剤師だけでできることは限られています。糖尿病治療・療養指導はチーム医療として取り組めるものです。

 

チーム医療の一員として活動したいと思っている薬剤師のかたは、糖尿病療養指導士として活躍するのも一つの道かもしれませんね。

 

参考:
1)日本糖尿病療養指導士認定機構(CDEJ)公式サイト
2)糖尿病療養指導ハンドブック


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