抗血栓薬は3種類に分類できる

抗血栓薬は3種類に分類できる

抗血栓薬は3種類に分類できる

抗血栓薬は名前のとおり「血栓」を治療するための薬をいいます。

 

血栓とは血の塊のようなものなのですが、なぜ血栓は体によくないのでしょうか。

 

それは、血管内にできた血栓が血流にのって全身に運ばれ、脳や肺、心臓の血管を詰まらせることで、脳梗塞、肺塞栓、心筋梗塞などの重大な疾患を引き起こす原因となるからです。

 

血栓は動脈硬化、不整脈、加齢、体質……など様々な原因で発生するため、少しでもリスクがあれば早急に対応しなければなりません。

 

そのため抗血栓薬は、循環器系の多くの疾患において用いられる重要な薬です。

 

抗血栓薬の分類

 

「抗血栓薬」という呼び方は、「血栓治療に関わる薬」の総称と言えます。

 

実際は以下のように、3種類に分類されます。

 

 

抗血栓薬の分類

  • 血栓溶解薬
  • 抗血小板薬
  • 抗凝固薬

 

抗血栓薬は多くの種類があり、それぞれの薬の特徴がつかみにくい印象があります。

 

特に抗血小板薬と抗凝固薬の区別は混同しやすく、両方とも「血液をサラサラにする薬」と覚えている人も少なくありません。確かにその通りなのですが、実際は使用目的や薬理作用に違いがあります。

 

さらに最近では、抗凝固薬の領域で新薬の発売が続いており、新しい作用機序や適応症の薬が市場にでてきています。

 

まず全体像をとらえて、それから細部を確認していくようにしましょう。

 

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血栓溶解薬はできてしまった血栓を溶かすことができる

 

血栓溶解薬の最大の特徴は、できてしまった血栓を溶かすことができる、ということです。

 

対して、抗血小板薬、抗凝固薬はできてしまった血栓を溶かすことはできません。あくまで、血栓をできないようにする「予防」の目的で用いられる薬です。

 

血栓溶解薬が使用されるのは、まさに脳梗塞や心筋梗塞が発症したときです。

 

詰まった血管を再び開通させ血流を再開させるため、つまり命がかかった急性期に用いられる薬なのです。

 

血栓溶解薬は

 

  • ウロキナーゼ
  • t-PA

 

の2種類に分類されます。

 

t-PAは「組織(tissue)プラスミノーゲンアクチベータ」の頭文字をとった呼び名で、いくつかある薬の総称です。

 

アルテプラーゼ(商品名:グルトパ、アクチバシン)、モンテプラーゼ(商品名:クリアクター)を一つのカテゴリーとしてt-PAと呼びます。

 

ウロキナーゼは後述するヘパリンとともに古くから使われている薬であり、t-PAはウロキナーゼの弱点を改良した新しい薬といえます。

 

なぜなら、t-PAのほうが安全性と効果が優れているからです。

 

 

抗血小板薬は動脈にできる血小板血栓を予防する

 

血液凝固には、フィブリン形成に関わる凝固因子と血小板が関与しています。

 

※フィブリン:血液凝固に関わるタンパク質。繊維状タンパク質で、傷などが起こると血小板とともに重合し、血餅(血の塊)を形成する。止血や血栓形成の中心的な役割を担う。

 

白色血栓とも呼ばれる血小板血栓は、主に動脈系に形成されます。この血小板血栓の形成を予防するのが抗血小板薬です。

 

抗血小板薬は、心筋梗塞や脳梗塞の再発予防で重要な役割を担います。

 

心筋梗塞や脳梗塞では、加齢や慢性疾患などが原因となって動脈硬化が進むなど、血管そのものに疾患原因がある場合が多いです。このような場合は動脈内の異常部位に血小板が粘着し、血栓形成の足場を作ると考えられているため、抗血小板薬が有効な治療となるのです。

 

抗血小板薬には多くの薬があります。

 

薬理作用も

 

  • COX阻害作用
  • アデニル酸シクラーゼ活性化作用
  • ホスホジエステラーゼ阻害作用
  • TXA2産生抑制作用5-HT2受容体拮抗作用

 

など様々ですが、目的は血栓形成因子である血小板の凝集を阻害することです。

 

「抗血小板薬」

  • バファリンA81(アスピリン・ダイアルミネート配合剤)
  • バイアスピリン(アスピリン)
  • パナルジン(チクロピジン)
  • プラビックス(クロピドグレル)
  • プレタール(シロスタゾール)
  • エパデール(イコサペント酸エチル)
  • ペルサンチン(ジピリダモール)
  • プロサイリン、ドルナー(ベラプロスト)
  • アンプラーグ(サルポグレラート)
  • オパルモン(リマプロストアルファデクス)
  • コンプラビン(クロピドグレル・アスピリン配合剤)
  • エフィエント(プラスグレル)

 

抗凝固薬は静脈にできる赤色血栓を予防する

 

抗凝固薬は、静脈系にできるフィブリン血栓とも呼ばれる赤色血栓の形成を予防する薬です。

 

抗凝固薬は、肺塞栓症や心房細動による血栓塞栓症に用いられることが多いです。

 

このような疾患は、病巣部とは別の場所で血栓が形成され、それが血流にのって病巣部へ流れて発症します。なぜ血栓ができるかというと、血液の流れが滞ることにより一時的に凝固系が亢進し、そこに血球成分が付着して血栓が形成されるからです。

 

抗凝固薬は、血液凝固系に関わる様々な因子を阻害することで、トロンビンの生成を阻害します。

 

トロンビンはフィブリノゲンからフィブリンを生成する触媒の役割を担っており、血液凝固系の主役とも言える血液凝固因子です。

 

抗凝固薬の薬理作用は様々です。

 

昔から使われてきた抗凝固薬の定番は、ワーファリン(ワルファリンカリウム)です。
ビタミンK作用に拮抗して肝臓におけるビタミンK依存性血液凝固因子の生合成を抑制することで抗凝固作用を発揮します。

 

また、直接トロンビンを阻害するプラザキサ(ダビガトランエトキシラートメタンスルホン酸塩)や、直接Xa因子を阻害するイグザレルト(リバーロキサバン)、リクシアナ(エドキサバントシル酸塩水和物)、エリキュース(アピキサバン)なども発売され、ワーファリンが主役だった時代が変わろうとしています。

 

 

「抗凝固薬」

 

「ヘパリン」
  • ヘパリンナトリウム
  • ヘパフラッシュ

 

「クマリン系」
  • ワーファリン(ワルファリンカリウム)

 

「トロンビン直接阻害薬」
  • プラザキサ(ダビガトランエトキシラートメタンスルホン酸塩)

 

「合成Xa阻害薬」
  • アリクストラ(フォンダパリヌクスナトリウム)……シリンジのみ

 

「経口直接Xa阻害薬」
  • リクシアナ(エドキサバントシル酸塩水和物)
  • イグザレルト(リバーロキサバン)
  • エリキュース(アピキサバン)

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