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「続けること」――これが一番難しい…
薬学の世界は日進月歩。日々、新薬が開発され、新たな知見が更新されていきます。
薬剤師は過去から蓄積された膨大な情報に加えて、新しく発見された情報もフォローしていかなければなりません。
当然、継続的な学習が必要になるのですが…
みなさんは、ちゃんと「学び」を継続できていますか?
私は約10年、業界は違えど薬剤師として勤めてきました。
その過程で強く思うのは「学びを継続するのは本当に難しい」ということ。
日常業務に精一杯で、なかなか学習時間を確保することができません。
しかし、薬剤師である以上、学習は必須です。
薬のプロとして成長するためには、日常業務以外での「学び」が必ず必要となります。
どうしたらモチベーションを維持することができるのでしょうか?
私は確信していることがあります。
それは「どんなに好きなことでも必ず飽きる」ということです。
みなさんは、これまでの人生で様々な事に挑戦してきたと思います。
私も「野球」「ボクシング」「英語」「留学」「薬学」「サイト運営」…などなど、少しでも興味を惹かれたものは試してきました。
ただ、その対象が一番輝いて見えるのは「初めてそれに接した時」です。
経験不足や妄想が、その対象をより魅力的に見せているのでしょう。
恋愛や結婚だって同じです。初めて手を繋いだ時、愛の言葉を伝えた時、経験したことのない魂の高揚を感じるものです。
しかし、それは「初めて」だからです。いつかは現実を知ったり、惰性を感じる時が訪れます。
物事は「初めて」からすぐに鮮度を失い始めますが、それがさらに加速するのは「習熟した時」です。
継続して努力して、やっとある程度成長した。6割の力でこなせるようになった。
その瞬間からだんだん飽きを感じ始めます。
私の先輩に20年のキャリアをもつ薬剤師がいます。
精神科の専門薬剤師として、医師や看護師に頼られるプロフェッショナルです。
彼と昼食を食べていた時、彼がポツリと言ったことがあります。
「どうしたら楽しく勉強を続けられるのかなあ…」
高い専門性で評価される薬剤師でさえ、モチベーションの維持は大変なのですね。
やる気は日々変化します。
食事、睡眠、家族関係が仕事に与える影響力は大きいですよね。
体調が良く、家族関係も良好な時は、仕事も前向きに取り組めます。
しかし、生活習慣が崩れるとやる気も急降下します。
心と体は密接につながっていて、体調変化はダイレクトにモチベーションに影響します。
「薬剤師の仕事」そのものに、モチベーション維持を妨げる要因があると言えます。
医療において、薬剤師の仕事は基本的に「受け身」です。
「病気を治す」という結果を出しにいくのが医師なら、薬剤師は医師を補佐し、薬物治療の効果と安全性を高めるのが仕事です。
薬剤師のメインの仕事は調剤業務です。「間違えない」「間違いを探す」のが仕事の基本であるため、「失敗しないこと」に神経をすり減らします。
処方提案という高度な仕事を受けるのは一握りの薬剤師です。ほとんどの薬剤師はルーチンワークに追われ、それをこなすのに精一杯です。
つまり、薬剤師の仕事はアウトプットする機会が圧倒的に少なく、業務がマンネリ化しやすいわけです。
調剤や服薬指導は、5年もすればそつなくこなせるようになります。
基本的には「間違えない」ことが目的なので、個人のスキルにそれほど差はでません。
自分の仕事が作品になったり数値で把握できるわけではないので、成長しているのか非常に実感し辛いのです。
薬剤師の仕事はその性質上、モチベーション維持がなかなか難しい…
しかし、それは多かれ少なかれ、他の仕事にも言えることです。
10年、20年と新鮮な気持ちのまま仕事を続けるのは不可能というものです。
実は、「続けること」こそが、仕事で一番難しいと言われます。
プロ棋士で七冠を達成した羽生善治さんは、著書「結果を出し続けるために (ツキ、プレッシャー、ミスを味方にする法則)」で以下のように語っています。
よく世間で、素晴らしい成果を出す人のことを、「才能がある」「この人は天才だ」と言いますが、私は「才能とは、続けること」だと考えています。
羽生さんはドキュメンタリー番組で「1日1時間を20年続けることはほぼ不可能」ということを言っていました。
天才と言われる超一流の人間でさえ、毎日少しづつ継続することは本当に難しいのです。
それなら、私のような庶民が仕事に飽きることは、むしろ当たり前ということですね。
やる気がずっと続くのは一握りの天才です。
モチベーションは下がるもの――これを受け入れることがスタートです。
むしろモチベーションを上げるよりも、下げ幅を小さくすることが大事なのではないでしょうか。
以上を踏まえて、どうしたらやる気を維持し、学びを継続できるのかを考えてみます。
なにはともあれ、体調管理はモチベーション維持の基本中の基本です。
暴飲暴食、飲み過ぎ、睡眠不足は、翌日の仕事にダイレクトに影響します。
寝る前に大量に食べると、寝ている時も体は食物を消化・吸収しなければなりません。これにはATPを消費するため、翌日クタクタで目が醒めることになります。
また、アルコールを過剰に摂取すると、良質な睡眠がとれません。
たまにハメを外すのもストレス解消になりますが、なるべく同じタイミングで食事をして、十分な睡眠を摂るべきでしょう。
運動習慣もとても大事です。35才を超えると、ガタッと体力が落ちます。
スポーツやジムトレーニング、散歩でもいいので、少しでも体を動かし、筋肉に負荷を与えておくことが、元気で長く働くための基本です。
有酸素運動はストレス解消、脳の活性化に効果があると言われます。30分程度の有酸素運動が鬱病に効果があるといった報告がありますね。
私はジムで走るのが好きで、ランニング後に学習すると頭がスッキリして理解力が上がっていることを実感します。
薬剤師の仕事はアプトプットする機会が少なく、ルーチンワークばかりでマンネリ化しやすいです。
つまり、意識的にアウトプットする機会を見つけていかないと、なかなか現状は変わりません。
毎日多くの患者さんに服薬指導をしていると、「話し方の定型」のようなものができあがります。
意識しなくても決まった流れで話せるようになるので「気がつくと同じ話しかしていなかった」という状況に陥りやすいです。
話を聞いてくれる患者さんや、よく質問してくる患者さんに出会ったら、意識的に新しい情報を与えるようにしましょう。
しかし、100%新しくする必要はありません。5%でも新しい情報が入っていれば、相手に与える印象は大きく変わります。
薬局内で勉強会を行うのも、アウトプットする良い機会です。
テーマを決めて、それについて調べて発表する。10分程度のものだったとしても、続ければかなりのアウトプットになります。
忙しい日常業務の中で、勉強会を行うのは容易ではありません。
しかし、以前、私が勤めていた薬局では、月に1回、30分程度の勉強会を行っていました。
「担当した患者さんについて病歴、薬歴を調べ、服薬指導で得た情報からコンプライアンス、治療の効果と副作用を考える」という内容のものでした。
たった30分でもしっかりとしたプレゼンをするのは簡単ではありません。
想定される質問に備えるために勉強が必要です。
「プレゼンに向けて調べる→プレゼンする→質問に答える」というトレーニングはアウトプットに最適で、知識の習得に非常に役立ちました。
学びのモチベーションを高めるのに最も良いのは、新しい環境に入っていくことです。
薬局の変わらない業務はある意味安心感がありますが、変化のない環境でずっと暮らしていると、だんだん意欲が低下していきます。
一方、学会、研修会など慣れない環境は、良い刺激を与えてくれることが多いです。
自分が属している組織外の人との交流は、自分の現状を客観的に見る良い機会になります。
やはり、やる気のある人と話すのが、モチベーションを高めるのに手っ取り早いですね。
人間は社会的な生き物なので、他者からの影響を大きく受けます。
学会や研修で立派なプレゼンをしている薬剤師をみると、「自分も頑張らなければ」という気持ちになりますね。
医師や看護師、理学療法士など他の医療従事者から大きな刺激を受けることもあります。
72時間連続勤務中の若いドクターと話していると、ほどほどに仕事をこなしている自分が恥ずかしくなります(笑)。
結局、やる気は誰かがくれるものではなく、自分で生み出すものではないでしょうか。
そして、学びを継続するためには、学びが必要な環境に身を置くことがとても大事です。
そんな意識を持って仕事に取り組みたいですね。
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