日病薬病院薬学認定薬剤師試験について

日病薬病院薬学認定薬剤師試験の試験範囲、合格基準、試験の形式、勉強方法について説明します。

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日病薬病院薬学認定薬剤師試験の対策について

認定申請書類を送付し、メールアドレスに送られてきた「審査料納付のご案内・受験登録手続きのご案内」にしたがって審査料を納付すれば、いよいよ試験日を待つだけとなります。

 

令和5年度(2023年度)日病薬病院薬学認定薬剤師認定申請受付期間及び認定試験日程

令和5年度(2023年度)日病薬病院薬学認定薬剤師認定申請受付期間及び認定試験日程

 

認定申請期間:令和5年(2023年)1月30日(月)〜5月12日(金)必着
試 験 日 :令和5年(2023年)6月16日(金)〜6月18日(日)17:30
※Web試験です。6月18日の試験開始最終時間は16:30です。

 

認定審査料(認定審査+受験に必要):2,000円(税別)

 

合格発表:令和5年(2023年)7月中旬頃
認定料(認定資格取得者):3,000円(税別)

 

令和5年度(2023年度)日病薬病院薬学認定薬剤師認定申請受付期間及び認定試験日程について

 

日病薬病院薬学認定薬剤師試験の形式は?

日病薬病院薬学認定薬剤師試験はWeb試験です。対象者に対して受験に必要なID及びパスワードを配布されます。

  • インターネットを介したWeb試験
  • 認定試験受験期間(3日間)のうち任意の1時間
  • 選択形式

 

合格基準

受験者の成績上位10%の平均点の70%

 

令和5年度(2023年度)日病薬病院薬学認定薬剤師認定試験出題基準

令和5年度(2023年度)日病薬病院薬学認定薬剤師認定試験 出題基準

 

Ⅰ.医療倫理と法令を順守する
Ⅰ-1:薬剤師の使命と責任
●薬剤師法における薬剤師の使命と責任について理解している。
●医療倫理・終末期医療の倫理について理解している。
●インフォームドコンセントについて理解している。
●先進医療に関して近年話題となった事項について理解している。

 

Ⅰ-2:医療制度
●薬剤師に関する診療報酬の算定要件・施設基準等について理解している。
●地域包括ケアシステムの概要について理解している。
●医薬品副作用被害救済制度の仕組みと請求について理解している。
●医療保険制度、介護保険制度について理解している。
●第7次医療計画の概要について理解している。
●患者申出療養制度について理解している。

 

Ⅰ-3:法令順守
●医療法及び医療法施行規則の概要について理解している。
●麻薬及び向精神薬取締法の概要について理解している。
●医薬品医療機器等法の概要について理解している。
●医薬品医療機器等安全性情報報告制度の仕組みと報告方法について理解している。
●医師法、薬剤師法などにおいて作成と保管が定められている文書について理解している。

 

Ⅱ.基本的業務の向上を図る
Ⅱ-1:調剤
●医薬品の処方日数制限について理解している。
●配合変化、無菌製剤処理について理解している。
●簡易懸濁法について理解している。

 

Ⅱ-2:製剤
●院内製剤の調製及び使用に関する指針について理解している。
●添加物、基剤、製剤的特徴について理解している。
●放射性医薬品について理解している。

 

Ⅱ-3:医薬品情報
●医薬品リスク管理計画(RMP)について理解している。
●医薬品・医療機器等安全性情報、医薬品安全対策情報について理解している。
●イエローレター、ブルーレターが発出された医薬品とその内容について理解している。
●添付文書、インタビューフォームについて理解している。
●医薬品情報の検索方法について理解している。
●後発医薬品(バイオ後続品も含む)の審査、評価、特徴について理解している。
●ドーピングの禁止薬物について理解している。
●健康食品について理解している。

 

Ⅱ-4:医薬品管理
●医薬品管理方法について理解している。
●医薬品の適正流通(GDP)、医薬品の製造管理及び品質管理の基準(GMP)について理解している。

 

Ⅱ-5:マネジメント
●臨床指標について理解している。
●病院経営管理に関する指標・手法について理解している。
●PDCA サイクルについて理解している。
※PDCA:計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Action)

 

Ⅱ-6:教育・研究
●人を対象とした医学系研究に関する倫理指針について理解している。
●臨床研究法について理解している。
●研究デザインと統計解析手法の特性について理解している。
●日病薬の専門・認定薬剤師制度について理解している。
●論文・雑誌投稿について理解している。
●治験について理解している。
●薬学教育モデル・コアカリキュラムについて理解している。

 

Ⅲ.チーム医療を実践する
Ⅲ-1:病棟・外来業務(医療コミュニケーション)
●医政局長通知(医政発0430第1号)に基づく薬剤師業務の内容を理解している。
※医政局長通知(医政発 0430 第 1 号)「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」
●プロトコールに基づく薬物治療管理(PBPM)を理解している。
●病棟薬剤業務、薬学的管理、薬剤管理指導、服薬支援等について理解している。
●コミュニケーションスキル、患者情報の取り扱いについて理解している。
●Advance Care Planning(ACP)について理解している。
●フィジカルアセスメントについて理解している。
●重篤副作用疾患別対応マニュアルについて理解している。

 

Ⅲ-2:連携
●かかりつけ薬剤師について理解している。
●病院横断的なチーム医療について理解している。
●地域医療連携における代表的なツールについて理解している。
●災害時の医療従事者の役割について理解している。
●予防医療の基礎について理解している。
●緩和医療の基礎について理解している。
●在宅医療における薬剤師の役割を理解している。

 

Ⅳ.医療安全を推進する
Ⅳ-1:リスクマネジメント(医薬品安全管理)
●医療法施行規則について理解している。
●医療事故調査制度について理解している。
●医薬品安全管理責任者の責務について理解している。
●医薬品の安全使用のための業務手順書について理解している。
●医療安全に関する診療報酬の算定要件、施設基準等について理解している。
●リスクマネジメントのモデル・解析方法について理解している。
●内服薬処方箋記載方法について理解している。
●抗がん剤曝露対策について理解している。
●日病薬のプレアボイド報告制度について理解している。
●医療安全に関する対策を理解している。

 

Ⅳ-2:感染制御・管理
●薬剤耐性(AMR)対策アクションプランについて理解している。
●指定感染症について理解している。
●医療法施行規則について理解している。
●院内感染予防、院内感染対策について理解している。
●抗菌薬適正使用・管理について理解している。
●消毒薬適正使用について理解している。
●我が国の耐性菌に関する現状、耐性菌の特徴、治療法について理解している。
●PK/PD 理論について理解している。
※PK:薬物動態学/PD:薬力学
●日和見感染症について理解している。
●抗菌薬の de-escalation について理解している。

 

Ⅴ.ファーマシューティカルケアを実践する
Ⅴ-1:医薬品(製剤)特性
●医薬品の作用機序、副作用及び体内動態、相互作用等について理解している。
・糖尿病治療薬
・がん化学療法
・分子標的薬
・抗結核薬
・漢方薬
・抗凝固薬
・甲状腺疾患治療薬
・便秘治療薬
・睡眠薬
・褥瘡治療薬
・抗アレルギー薬
・医薬品全般
●TDM対象薬について理解している。
●サリドマイド製剤及びその誘導体の安全管理手順について理解している。

 

Ⅴ-2:疾病・薬物療法
疾患の病態及び薬物療法について理解している。
●糖尿病
●循環器疾患(高血圧症、脳梗塞、心不全、不整脈、虚血性心疾患等)
●悪性腫瘍・疼痛管理
●肝炎(肝硬変、B 型肝炎、C 型肝炎等)
●呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息、間質性肺炎等)
●腎臓病(腎不全、慢性腎臓病(CKD))
●認知症
●炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病等)
●骨粗しょう症
●てんかん
●関節リウマチ
●パーキンソン病
●統合失調症
●高尿酸血症
●アレルギー疾患(アトピー性皮膚炎、アナフィラキシー等)
●中枢性尿崩症
●鉄欠乏性貧血
●過活動膀胱
●ビタミン欠乏症
●消化性潰瘍
●片頭痛
●うつ病
●覚せい剤依存症
●播種性血管内凝固症候群(DIC)
●薬物中毒
●インフルエンザウイルス感染症

 

Ⅴ-3:患者特性
●高齢者に対する医療について理解している。
(生理機能、薬物動態、アドヒアランス、薬物療法等)
●妊婦・授乳婦に対する医療について理解している。
(生理機能、禁忌、催奇形性、合併症、薬物療法等)
●小児に対する医療について理解している。
(生理機能、禁忌、薬物動態、薬物療法等)
●腎機能低下者に対する医療について理解している。
(腎機能評価、生理機能、薬物動態、薬物療法等)
●肝機能低下者に対する医療について理解している。
(肝機能評価、生理機能、薬物動態、薬物療法等)

 

令和5年度(2023年度)日病薬病院薬学認定薬剤師認定試験 出題基準

 

日病薬病院薬学認定薬剤師試験の勉強方法はどうしたらいいのか?

日病薬病院薬学認定薬剤師認定試験の出題基準はどんでもなく広いです。
どのように対策したらよいのでしょうか?

 

日病薬病院薬学認定薬剤師試験に過去問がない理由

日病薬病院薬学認定薬剤師試験に「過去問」はありません。「参考書」「問題集」といった類のものもありません。

 

日病薬病院薬学認定薬剤師試験は毎年行われるため、誰かが試験問題をメモして過去問を作成していても不思議ではありません。大学の進級試験で過去問が代々受け継がれていたように、過去問は「暗黙の了解」でした。

 

しかし、ネット上で過去問を検索してみましたが、一つもヒットしませんでした。

 

Web試験は「信頼」によって成り立っている

試験形式がインターネットを介したWeb試験であるため、インターネットがあればどこでも受験可能です。自宅でカンニングしたり友人の家で一緒に受験しても正直バレないわけです。

 

そのため不正行為の報告があり、日本薬剤師会が令和3年9月22日に「日病薬病院薬学認定薬剤師認定試験における不正行為への対応について」を交付しています。

 

本制度のWEB試験では、以下の1)から7)を誓約事項として承諾いただいた上で受験いただいておりますので、6)の違反行為に該当し、7)の措置を講ずるに至りました。

 

1)ご自身以外の者(他者)が解答しません。
2)問題の解答にあたり他者の助言は受けません。
3)問題の解答にあたりその内容を解説した書籍、参考書などを使用しません。
4)問題の解答にあたり他のコンピューター、携帯電話、電子辞書などの電子機器類を使用しません。
5)問題の内容を他者に漏洩したり、公開しません。
6)問題の内容をメモしたり、画面のコピーなどは行いません。
7)上記1)から6)に違反した場合は、本試験だけでなく、今回の申請に使用した研修単位が全て無効になることを承諾します。

 

日病薬病院薬学認定薬剤師認定試験における不正行為への対応について

契約事項(6)があるため、試験内容をメモして過去問を作ったり、それを拡散することは禁止されています。

 

不正行為の報告はあったものの、インターネット上で過去問の情報を探しても出てこないという事は、受験者のほとんどが上記の契約をしっかりと守っているからでしょう。
Web試験は「自宅で受験可能」「3日間のうち任意の1時間で受験可能」と、忙しい病院薬剤師にとってはとってかなり有利な条件です。しかし、不正行為が続けば、Web試験の廃止→試験会場集合型の試験に移行する可能性も無いわけではありません。

 

Web試験はある意味「受験者への信頼」によって成り立っていると言えます。有利な条件で受けられるWeb試験を守っていくためにも、不正はやめましょう。