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日病薬病院薬学認定薬剤師の認定条件を詳しく解説
最新の日病薬病院薬学認定薬剤師の認定条件について説明していきます。
2023年(令和5年)1月30年に開示された資料をもとに解説していきます。
日本病院薬剤師会は会員種別に分かれています。
入会案内・変更手続き | 日本病院薬剤師会
病院に正社員として就職すると上司から日本病院薬剤師会への入会を勧められると思います。入会している人がほとんどではないでしょうか。
もし入会してなければ、入会案内・変更手続きを参考にしてください。
日病薬病院薬学認定薬剤師を取得するには「過去3年度を通算して50単位以上」を取得する必要があります。
単位は、研修・学術講演会、e-Learning、学会等に参加することで得ることができます。これを「年間10単位以上、3年通算で50単位以上」集める必要があります。
この単位を取得するためのカリキュラムとして設定されているのが日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムです。
日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラム
1.目 的
日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムは、薬剤部内や病棟等で必要となる薬剤師の基本的臨床能力を5領域16項目に分類し、本会が定める日病薬病院薬学認定薬剤師に必要な履修項目を履修するとともに、自身が臨床現場で必要な学習項目を設定し履修することにより、基本的臨床能力及び医療水準の変化に適した実践力を備えた薬剤師を養成する目的を達成するためにカリキュラムを定める。
日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムは、下記のようにⅠ~Ⅴの5領域から成り、さらに細かく研修番号で分けられています。
研修には「Ⅱ-3」のように研修番号がふられています。必要単位として「年間10単位以上、3年通算で50単位以上」かつ、下記の条件を満たす必要があります。
極端な例ですが「V-3のみ40単位取得する」など過度に偏らないで、まんべんなく単位を取得させる目的で上記の条件が設定されているものと思われます。
一見ややこしそうですが、自分の取得単位を「日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修記録」にある「年度別・領域別研修記録確認表」で記録していけば問題なく管理できます。
足りない研修番号の単位はe-Learningを利用して効率的に取得することをお勧めします。
薬剤師の認定制度を持っているのは日本病院薬剤師会だけではありません。
独自の認定制度を持ち、薬剤師の資質向上に貢献している団体は多くあります。日本薬剤師会、日本医療薬学会が有名ですが、東邦大学薬学部(生涯学習認定制度)、慶應義塾大学薬学部(認定薬剤師研修制度)など大学が独自で運営していたり、公益社団法人石川県薬剤師会(認定薬剤師研修制度)、公益社団法人東京都薬剤師会師(生涯研修認定制度)など都道府県単位で運営されている認定制度もあります。
現在(2023年3月)33団体ありますが、将来新たに生まれる団体もあるでしょう。こうした制度間に互換性を持たせたり、各認定制度を第三者の視点で評価するのが薬剤師認定制度認証機構(CPC)です。
薬剤師認定制度認証機構は、薬剤師に対する各種の生涯学習と認定制度を第三者評価する機関です。基準に適合する優れた研修認定制度を認証し公表することによって、薬剤師の資質及び専門性の向上に寄与し、それにより、国民の保健衛生の向上と生活の改善に貢献することを目的として、次のような事業を行っています。
◇ 薬剤師に対する各種生涯研修・認定制度の評価及び認証
◇ 評価及び認証を行うための基準の見直しや、チェックリストの改善
◇ 薬剤師の生涯学習体制の整備、育成、支援
薬剤師認定制度認証機構(CPC)から認定を受けた団体の研修等で得られた単位は、日病薬病院薬学認定薬剤師の単位として使うことができます。ただし、「日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムに沿った内容の研修会あり、かつ通算50単位のうち10単位以下であること」という制限があります。また、研修番号はなく「カリキュラムなし」の単位となります。
(参考資料:CPC認証を取得した制度とその実施機関一覧 ■認証機構により認証された認定制度リスト■)
これは重要なポイントです。「年間10単位以上、3年通算で50単位以上」取得する必要があります。
「1年で50単位取得して試験を受ける」ということはできません。最短でも3年間は時間が必要となります。
また、3年で50単位取得しても、1年でも9単位以下の年度があるとアウトとなります。
仕事やプライベート(結婚・出産・育児・介護・病気・留学など)によって「今年はどうしても時間がとれない!」という状況もあるでしょう。計画的に研修を受けていきましょう。
どうしても年間10単位を取得できそうにない状況であるなら、研修を中断できるシステムがあります。
<質問4>
研修の途中ですが、産休・育休のため認定要件(毎年10単位以上取得)が満たせなくなりました。研修を継続できますか。
【回答】
当該年度を研修の中断期間として申請することにより継続できます。
本制度では特別な理由(出産・育児、病気・介護、海外留学など)により研修を継続できない場合に、原則として最長3年間研修を中断できます。研修を中断した場合は、中断年度、中断理由を記載した中断証明書(書式自由)と所属長による証明を本制度の認定申請・更新申請時に提出してください。認定小委員会で中断の可否について審査します。なお、中断期間の取り扱いは年度単位となります。
日病薬病院薬学認定薬剤師認定試験は日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムの5領域から出題されます。
現状、過去問はありません。下図に具体的な出題内容がありますが、範囲が広すぎます。
■参考サイト:日病薬病院薬学認定薬剤師制度
日病薬病院薬学認定薬剤師の認定期間は永久ではありません。取得後は6年間有効です。更新する場合は6年で以下の条件を満たす必要があります。
以下の要件を満たす者を日病薬病院薬学認定薬剤師の認定更新者とする。
(1)本会正会員又は特別会員(保険薬局勤務・大学教員等の薬剤師)であること
(2)過去6年度を通算して100単位以上を取得し、かつ下記①~③のすべてを満たすこと
①日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムのうち、下記の項目の単位数を取得していること
Ⅰ-1~3の各項目の中から1項目以上履修し、合計4単位以上取得すること
Ⅱ-1~6の各項目の中から2項目以上履修し、合計8単位以上取得すること
Ⅲ-1~2の各項目を履修し、合計8単位以上取得すること
Ⅳ-1~2の各項目を履修し、合計8単位以上取得すること
Ⅴ-1~3の各項目を履修し、合計12単位以上取得すること
②薬剤師認定制度認証機構から認証を受けた他の生涯研修プロバイダーから付与された単位は有効とする。ただし、日病薬病院薬学認定薬剤師制度研修カリキュラムに沿った内容の研修会あり、かつ通算100単位のうち20単位以下であること
③毎年度(4月1日から翌年3月31日まで)10単位以上取得していること
(3)日病薬病院薬学認定薬剤師認定試験に合格すること
という条件から、認定条件と労力はほぼ同じです。期間が伸びただけという印象です。しかし、認定試験の内容や形式は今後変更される可能性があるため注意が必要です。