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調剤薬局のメインの仕事は、医師の処方せんにもとづいて調剤を行うことです。
調剤薬局の収益の90%以上は処方せん調剤から得ています。
つまり、1日の業務のほとんどを調剤行為に費やすことになります。
しかし、調剤薬局薬剤師の仕事でもう一つ大きな柱があります。
それは服薬指導です。
服薬指導とは、患者が安全・安心に医師から処方された薬を服用できるようアドバイスをする行為です。
薬を飲むことは多かれ少なかれリスクを伴いますから、患者さんにとっても薬剤師から服薬指導を受けることは有用であるはずです。
しかし、この服薬指導を嫌がる患者さんがかなりいることを、私は現場で働くようになってから知りました。患者さんに良かれと思って行った服薬指導なのに、逆に嫌がられたり、時には怒られることもありました。
これは大きなカルチャーショックでした。
なぜ嫌がられるのか?
大学時代にあれほど重要だと教えられた服薬指導を、いらないものと思っている患者さんがいるのはなぜか?
これは処方せん調剤に関わった薬剤師なら誰でも一度は体験することでしょう。私はたまに怒りさえ覚えました。
なぜ薬剤師の服薬指導は、いまだ重要視されていないのでしょうか? 私の経験も踏まえて、患者さんの気持ちを代弁してみます。
病院で待たされ、調剤薬局で待たされる。やっと名前が呼ばれ薬がもらえると思ったら、また薬剤師にあれこれ病気について聞かれる。
薬だけくれればいいのに、いい加減にしてほしい。
自分の病状は医師に話しているのに、なぜまた薬剤師に話さなければならないのか。
医師でもないのに病気のことがわかるのか。プライバシーの侵害じゃないか。
先生が出した薬を飲めばいいんだろう。
なぜ、薬剤師から説明を受けなければならないのか。
だいたい、患者さんの気持ちは上記の3点に集約されるでしょう。
まず、服薬指導を受けたくない患者さんは、そもそも薬にリスクがあるという発想がありません。
だから薬のことを説明しようとする薬剤師を、時間の無駄だと思うのです。
また、「医師が出す薬はすべて正しい」と思っている人もいます。
そうすると、疑義紹介をしようとする薬剤師は、医師の仕事にケチをつけているとみなすわけです。
「薬剤師は薬の専門家である」という考えがない人もいます。
ただ処方せん通りに薬を揃える仕事をしていると思っているのです。
薬を揃えてだすだけなら、調剤薬局は単なる小売業です。医療機関ではありません。
インターネットを眺めていれば、調剤薬局の薬剤師に対する不満がそこかしこにあります。
「薬剤師の服薬指導がウザい」
「病気についてあれこれ聞いてきて、プライバシーの侵害よ」
など、出てくるわ出てくるわ……薬のリスク、薬剤師の専門性を何もわかっていません。
しかし、薬剤師の服薬指導は、患者さんの安全を守るために非常に重要なのです。また治療効果の向上にもつながります。
薬は正しく飲まないと、効果が落ちたり副作用が出やすくなるものがあります。
(例)
服用法が特殊な薬として、骨粗鬆症治療薬であるボナロン(アレンドロン酸ナトリウム)があります。
「起床時にコップ1杯(約180mL)の水で服用し、30分は水以外の飲食をしないこと。また、二度寝せず起きていること」という用法を守らなければなりません。これは消化器系の副作用を防ぐためです。
また、薬の飲み忘れや間違った飲み方をした場合にどう対処するかについても、薬剤師は説明をします。
例えば、上記のα-グルコシダーゼ阻害薬(αGI)は食直前(食事の5分前)に服用する薬ですが、飲み忘れたとしても食事開始から15分以内であれば効果はあるとされています。
医師は多忙なため、病気や検査値について詳しく説明しないこともあります。
そういう時は、薬剤師に聞いてみましょう。
「自分の病気はどうゆうものか」「なぜこの薬を飲まなければならないのか」を理解することは、服薬のモチベーション向上につながります。
特に、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症などの慢性疾患は、生活習慣を気をつけることで病気の進行を抑えることができます。
運動習慣や食事療法も、薬剤師からアドバイスを受けられます。
高齢者ほど、複数の医療機関を利用している場合が多いです。
胃薬や痛み止めなどは、同薬効の薬を処方されることも少なくありません。
最近はジェネリックの増加で、名前が違っていても実は中身は同じ、という場合もあります。
また、複数の医療機関を利用していると、併用禁忌の薬が処方されることも少なくありません。
薬剤師がチェックしないと、最悪生命に関わる危険があります。
(例)
薬剤師のチェックで重複投与や、併用禁忌の薬が処方されることを、防ぐことができます。
薬でアレルギーが出た場合、今後はその薬を飲むことは避けるべきです。
しかし、「病院でアレルギー歴のある薬が見落とされ、そのまま処方される」ことも少なくありません。
ジェネリック医薬品の普及で「名前が違っていても実はアレルギー経験のある薬だった」という場合もあります。
(例)
ジクロフェナクNaでアナフィラキシー歴のある患者にナボールパップが処方。薬局で発見された。
薬物アレルギーの症状としては、発熱などの全身症状、貧血、薬疹などが一般的です。
しかし、特に注意すべきはアナフィラキシーショックです。じん麻疹から呼吸困難、血圧低下などのショック症状が現れ、重症化することも少なくありません。
薬物アレルギーは抗菌薬(ペニシリン)や解熱剤(NSAIDs)が有名ですが、どんな薬でも起こる可能性があります。
また、一部の食品にアレルギー歴のある人は、避けなければいけない薬があります。
(例)
特定の疾患を持つ患者は服用できなかったり、減量しなければならない薬があります。
(例)
薬には多かれ少なかれ副作用があります。
薬剤師から副作用の初期症状のアドバイスをもらうことで、副作用の早期発見や対策をすることができます。
薬の副作用は、機序別に大きく3つに分類されます。
もっとも一般的な副作用は、薬理作用によるものです。
薬の効きすぎによって起こる副作用なので、むしろ薬効と隣り合わせと言えます。
睡眠薬による日中の眠気、ふらつき、降圧剤による頭痛などが有名です。
医師は病気のプロですが、薬のプロではありません。
病院に勤務し日常的に医師と関わりだしてから、強くそれを感じるようになりました。
医師は専門の薬剤については深い知識を持っていますが、それ以外は基本的な薬さえ知らないことがあります。ジェネリックや一般名になると、もうお手上げです。
ですから、薬剤名を間違えたり、処方量を間違えたりすることは珍しくありません。
それをチェックするのか調剤薬局の薬剤師の仕事なのですが、服薬指導の重要性を理解していない患者さんはまだまだ多いです。
日本は欧米と比べて安全な国ですが、それが現在の平和ぼけのような状態を招いていると思えてなりません。
日本人は危機管理にお金を払わない国民だと言われています。
薬の正しい知識を一般の人に広めていくことも、薬剤師の課題といえます。
薬剤師は将来余る――昔からささやかれている話ですが、それは現実になるのでしょうか?
薬剤師は将来過剰になるか について、私なりの意見を書いてみたので参考にしてみてください。
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