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ドラッグストアは物販ビジネスです。
ですから、ドラッグストア薬剤師は、医療人として、また商売人としての能力を持たなければなりません。
ここでは、ドラッグストア薬剤師として働くメリットを紹介します。
小売業の基本は「物を仕入れて売る」ということです。
これは商売の原点といえるでしょう。
平均的な規模のドラッグストア(売り場面積:約207坪、年商4億円)は、約1万7000点もの商品を扱っているといわれています。
商品には回転が速いものもあれば、遅いものもあります。
単価が安いものは回転が早く、高いものは遅い傾向があります。
また、ブームやシーズンによって売れる商品も変化します。
そういった商品の特徴を、医薬品、健康食品、化粧品などカテゴリーごとに把握し、在庫を管理するのはかなり大変ですが、ドラッグストアで働くことで、小売業の基本を身につけることができます。将来、独立してビジネスを行う際に、必ず役に立ちます。
ドラッグストアは多種多様な商品を扱うため、そこに関わる人達も多様です。
ドラッグストア薬剤師は製薬会社、食品メーカー、化粧品メーカー、卸業者などいろいろな人達と日々連絡をとりながら、業務を勧めていきます。
例えば、栄養ドリンクのメーカーが試飲会を行う際には、場所や日程などを担当者と話し合います。
化粧品の新商品が発売されれば、販促方法をメーカー担当者と一緒に検討します。
ドラッグストアで地位を上げていけば、必然的に従業員のマネジメント能力を求められるようになります。
店長ともなれば、正社員、パート、アルバイトなど年齢、性別、境遇など多様な人々をまとめ上げなければなりません。
ドラッグストアは女性店員が多いため、繊細な対応を求められることもあります。
派閥、いじめなどいろいろな問題が起こることもしばしばです。それをなだめたりすかしたりしながらチームワークを高めていくことで、マネジメント能力が格段に向上します。
ドラッグストアはサービス業ですので、従業員はきちんとしたビジネスマナーを求められます。
とくに現在はデフレで物が売れない時代ですから、サービスの差が企業の優劣を決めると言っても過言ではありません。
大手チェーンほどサービスの重要性を分かっているので、新入社員には徹底したマナー研修を行います。
挨拶の仕方から笑顔の作り方、お辞儀の角度、接客用語の暗記、身だしなみなど厳密にマニュアル化され、社員はマニュアル厳守を徹底されます。
私はドラッグストアで働いた後、病院に就職したので、企業と病院のマナーの差に大きなカルチャーショックを受けました。病院はドラッグストアほどマナーを求められないからです。
しかし、病める人に接する病院だからこそ、マナーが必要なのではないかと思いました。
ビジネスマナーは仕事の基本であるので、ドラッグストアで学ぶことは将来必ず役にたちます。
ドラッグストア薬剤師の最大のメリットです。
セルフメディケーションの推進により、今後はプライマリケアーの考えがより重要視されるはずです。病気を治すより、病気を予防するという価値観が国民に広がれば、カウンセラーとして頼られるのはドラッグストア薬剤師だと思います。
欧米で薬剤師が信頼される一番の理由は「健康や薬に関するアドバイスを、無料で、わかりやすく提供してくれる」ということだからです。OTC医薬品、健康食品、生活用品に詳しい薬剤師は、様々な視点からアドバイスをすることができます。
また、少子高齢化により、在宅医療の充実が求められています。高齢者は多くの慢性疾患をかかえ、多様な薬剤を服用しています。こうした高齢者をサポートするには、介護用品の知識も豊富な薬剤師の能力が不可欠です。
ドラッグストア薬剤師は、調剤薬局や病院と比べて給料が高いです。
新卒から年収500万を提示する企業は珍しくありません。
薬学部4年制から6年制に変わり、2年間新卒薬剤師が生まれない年がありました。
空白の2年間を経て2011年度の新卒採用では、各企業が薬剤師確保に躍起になり、新卒薬剤師の給料が高騰しました。マツキヨのように、新卒薬剤師に年収600万を提示した企業もあります。
ドラッグストア薬剤師の年収は会社の業績に左右されるため、定期昇給が望めない会社もあるでしょう。しかし、店長など管理職になれば、年収700万、800万以上を期待できます。
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